新人営業が使える商談後議事録テンプレートと書き方のコツ|信頼される報告術を徹底解説

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営業の現場で「商談が終わった後、どうまとめればいいのか分からない…」という新人は非常に多いです。
上司から「議事録を共有して」と言われても、どこまで書けばいいのか、何を省けばいいのかが曖昧で迷ってしまいますよね。

実は、商談後の議事録はただの記録ではありません。
チーム全体の行動を決める重要なビジネスドキュメントです。
正確で分かりやすい議事録が書ける新人は、上司や先輩から信頼され、次の商談を任されることも多いのです。

この記事では、現役営業マネージャーが実際に使っているフォーマットをもとに、
「すぐ使える商談後議事録テンプレート」と「評価される書き方のコツ」を徹底的に解説します。
テンプレートをそのままコピーして使えるので、明日からの商談報告にもすぐ役立ちます。

商談後の議事録が新人営業の評価を左右する理由

新人営業がまず覚えておくべきこと――それは、商談後の議事録は「あなたの営業力の証明書」だということです。
どんなに商談中に良いプレゼンをしても、議事録の精度が低ければ、「本当に理解しているのか?」「抜け漏れが多い」と評価されてしまいます。
逆に、議事録が明確で整理されていれば、上司や先輩は安心して案件を任せられます。


1. 議事録は「商談の見える化」

商談の内容を記録する目的は、“忘れないため”だけではありません。
社内の誰が読んでも「商談の状況と次のアクション」が一目で分かるようにするのが、議事録の本当の役割です。

上司・他部署・チームメンバーは、あなたの議事録を読んで以下を判断します。

読み手確認したいポイント
上司進捗・課題・判断が必要な点
技術部提案・仕様・顧客要望
営業メンバー類似案件・共有ナレッジ
カスタマーサポート導入後の対応ポイント

つまり、議事録とは単なる“営業メモ”ではなく、会社全体が動くための指令書なのです。


2. 商談後すぐに書くことが信頼につながる

議事録はスピードが命です。
商談が終わってから時間を置くと、どうしても抜けや誤記が発生します。
理想は「商談終了から30分以内」。

たとえ完璧でなくても、早く共有すること自体が評価ポイントになります。
上司や他部署はあなたのスピード感で「責任感」や「仕事への姿勢」を判断しています。


3. 書ける営業は「聞ける営業」

実は、議事録スキルが高い営業ほど、商談の“聞き方”がうまいです。
なぜなら、議事録を意識すると「何を聞いておくべきか」が明確になるからです。
つまり、議事録力=ヒアリング力なのです。

新人営業のうちは、「この内容をどう報告するか」を想定しながら商談に臨むと、
必要な情報を自然と聞き出せるようになります。
この習慣がつけば、上司から「報連相が正確」「安心して任せられる」と信頼されるようになります。

目次

商談後議事録の基本構成とテンプレート

「何を書けばいいのか分からない」という新人にとって、議事録作成の一番のハードルは“構成”です。
まずは、基本の書き方の型を押さえましょう。
以下のテンプレートを使えば、どんな商談でもスムーズにまとめられます。


1. 議事録の基本構成(5つの要素)

項目内容書くポイント
件名商談名・日付・顧客名例:「10/28 株式会社ABC様 商談議事録」
商談目的商談の狙い・ゴール「契約更新の条件確認」「新製品の提案」など
商談内容話した内容の要約事実・要望・反応を分けて整理
決定事項双方で合意した内容価格・納期・スケジュールなど明記
次回アクション今後の予定と担当者「11/1までに見積もり提出(担当:山田)」など

これら5つを埋めるだけで、誰が読んでもすぐ理解できる議事録が完成します。


2. テンプレート例(コピペOK)

件名:10/28 株式会社ABC様 商談議事録
日時:2025年10月28日 14:00〜15:00
場所:オンライン(Zoom)
参加者

  • 営業:田中(自社)
  • 技術:佐藤(自社)
  • 購買部長:鈴木様(ABC社)
  • システム担当:山口様(ABC社)

商談目的:新システム導入に向けた提案内容の最終確認

商談内容

  • ABC社側の要望:運用コスト削減・サポート体制の強化
  • 自社側の提案:クラウドプラン+保守サポート付きプランを提示
  • 鈴木様より、価格と導入時期について調整要望あり

決定事項

  • 提案内容の方向性は概ね了承
  • 導入時期を2026年1月目標とする
  • 次回、最終見積もりを提示し社内稟議へ

次回アクション

  • 提案書修正:田中(10/31まで)
  • 技術見積もり確認:佐藤(10/30まで)
  • 次回商談日程:11/5(水)15:00予定

このテンプレートは、「目的 → 内容 → 決定 → 次の動き」という流れで構成されています。
つまり、会話の順番ではなく、意思決定の順番で整理するのがポイントです。


3. 議事録を作るときに注意すべき3つのNG

NG例理由改善例
「話した内容をすべて書く」情報過多で読まれない要点だけを3行以内にまとめる
「自分の意見を混ぜる」客観性がなくなる事実と所感を分ける
「日付や担当を省く」行動が不明確になる“いつ・誰が・何を”を明記する

新人の多くが、「とにかく全部書く」「会話を文字起こしする」という間違いをしがちです。
しかし、上司やチームが欲しいのは情報の要約と判断材料です。
議事録は「何が決まったか」と「次に何をするか」を明確にするためのドキュメントだと意識しましょう。


4. 速く正確に書くためのコツ

商談中にすべてを書き取る必要はありません。
メモは「キーワード+トピック中心」で十分です。
たとえば以下のように略記しておき、商談後に整えるのが効率的です。

商談中メモ議事録記載時の整形例
価格下げ要望・納期1月・比較C社ABC社より価格調整と納期1月希望、競合はC社
デモ希望→来週?来週デモ希望。日程調整要
成約前提OK?提案方向性了承済み。次回見積もり提示

商談直後10分で骨格をまとめる → 30分以内に正式議事録化
これが最も効率的で信頼を得られる議事録作成サイクルです。

すぐに使える商談シーン別議事録テンプレート集

商談の内容や目的によって、議事録の書き方には少しずつ違いがあります。
ここでは、新人営業が遭遇しやすい4つの商談シーンに分けて、実際に使えるテンプレート例を紹介します。
コピペして自分の案件に当てはめれば、そのまま現場で使えます。


1. 新規提案商談の議事録テンプレート

件名:10/27 株式会社グリーンエナジー様 新製品提案商談
日時:2025年10月27日 13:00〜14:00
場所:本社応接室
参加者
・営業:田中(自社)
・顧客:営業部長 山本様、技術担当 佐々木様

商談目的:新製品「EcoDrive」の導入提案およびコスト比較の提示

商談内容
・顧客側:既存システムのメンテコストが高い課題あり
・自社側:EcoDriveの導入で年間20%のコスト削減を提案
・山本様:「価格と保守体制の詳細を確認したい」とコメント

決定事項
・提案内容は前向きに検討
・次回は価格比較表の提出を求められる

次回アクション
・見積もり・比較表作成:田中(10/30まで)
・技術部に機能確認依頼:佐藤(10/29まで)
・次回訪問:11/2 午前予定

ポイント

  • 新規商談では「課題→提案→顧客反応→次の動き」の順番で整理する。
  • 提案内容を明確化し、顧客の反応を一文で要約することで読みやすくなる。

2. 継続取引・契約更新の議事録テンプレート

件名:10/26 株式会社アクティブソフト様 契約更新打合せ議事録
日時:2025年10月26日 10:00〜11:00
場所:オンライン(Teams)
参加者
・営業:中村(自社)
・顧客:管理部長 木下様、担当者 高橋様

商談目的:保守契約の更新条件の確認および価格調整交渉

商談内容
・木下様:更新希望。ただしコスト見直しを検討中。
・中村:利用状況とサポート実績をもとに継続提案。
・高橋様:「導入効果は感じている」との発言あり。

決定事項
・更新方向で合意。詳細条件は次回提示。

次回アクション
・見積もり再作成(中村)10/28まで
・承認スケジュール確認(木下様)10/30まで

ポイント
契約更新では「顧客満足度」と「コスト意識」のバランスを示す。
決定事項は短く、次のステップを具体的に記すことが重要です。


3. クレーム・トラブル対応商談の議事録テンプレート

件名:10/25 株式会社テックサポート様 納期遅延に関する対応報告
日時:2025年10月25日 15:00〜15:45
場所:顧客先オフィス
参加者
・営業:鈴木(自社)
・製造:伊藤(自社)
・顧客:品質管理課 吉川様、調達担当 渡辺様

商談目的:納期遅延の経緯説明および再発防止策の共有

商談内容
・吉川様:製品Aの納期遅延について不満あり
・鈴木:遅延原因を説明(仕入先トラブル)
・伊藤:代替生産体制を整備済みと報告
・渡辺様:「再発防止策が具体的で安心した」とコメント

決定事項
・今後の納期は11/5までに調整完了予定
・報告書を10/28に提出

次回アクション
・改善報告書提出(鈴木)10/28まで
・社内共有ミーティング実施(10/29)

ポイント
トラブル時の議事録は、「事実」「対応」「顧客の反応」「今後の対策」の4段構成でまとめる。
感情的な表現を避け、事実を客観的に整理するのがプロの営業です。


4. 導入提案の最終確認商談テンプレート

件名:10/24 株式会社リアルリンク様 導入最終確認商談
日時:2025年10月24日 14:00〜15:30
場所:顧客先会議室
参加者
・営業:松本(自社)
・技術:長谷川(自社)
・顧客:事業部長 加藤様、担当 井上様

商談目的:提案内容の最終確認および導入スケジュール調整

商談内容
・加藤様:提案内容に問題なし。導入開始を年内希望。
・長谷川:スケジュール上、12月中旬スタートが可能と回答。
・井上様:社内承認のための見積もりフォーマット希望。

決定事項
・導入時期:12月中旬で合意
・正式契約は11月第1週予定

次回アクション
・最終見積書送付:松本(10/27)
・導入スケジュール確定:長谷川(10/28)

ポイント
最終確認段階の商談は「合意事項」と「タスクの明確化」が最重要。
誰が何をいつまでに行うかを明確に書くことで、社内外のトラブルを防げます。


5. 週次共有・チーム報告向けテンプレート

件名:週次営業共有議事録(10/21〜10/25)
内容

  • グリーンエナジー社:見積提出済み。反応良好。
  • アクティブソフト社:契約更新方向で合意。見積調整中。
  • テックサポート社:納期遅延報告済み。改善策進行中。
  • リアルリンク社:導入決定。契約準備中。

課題・所感

  • 商談件数増加に伴い、共有スピードの維持が課題。
  • 早期議事録提出をチーム内で徹底予定。

ポイント
チーム内共有では、「進捗を一覧で見える化する」ことを重視。
1件あたり3行以内で要約し、他メンバーが即行動できる情報量に絞るのがコツです。

伝わる議事録を書くための実践テクニック

テンプレートを活用しても、「伝わる議事録」を書くにはもう一歩踏み込んだ工夫が必要です。
ここでは、読み手に伝わりやすく、上司や他部署がすぐ動ける議事録に仕上げるための具体的なテクニックを紹介します。


1. 議事録は「誰が読むか」を最初に意識する

新人営業がやりがちな失敗は、「自分用のメモ」の延長で書いてしまうことです。
しかし、議事録は自分以外の誰かが読むことを前提に書く必要があります。

たとえば、同じ内容でも読み手によって書き方は変わります。

読み手意識すべきポイント記載の工夫例
上司判断に必要な情報「決裁に必要なポイント」を明確化
技術部要求仕様や課題「顧客の要望」を具体的に書く
営業チーム商談の進捗と次の動き「次のアクション」を中心に整理

このように、読む人の立場を意識して情報を取捨選択することが、読みやすさの第一歩です。


2. 「結論→理由→補足」の順で書く

議事録の文章は、時系列でダラダラ書くと読みにくくなります。
基本は「結論から伝える」こと。これはビジネス文書の鉄則です。

例:悪い書き方

「本日の商談では、機能面の説明を行い、顧客の反応を確認しました。価格について質問がありました。」

例:良い書き方

「顧客は導入に前向き。価格調整の要望あり(機能説明時に質問多数)。」

このように最初に要点(結論)を置くことで、読み手が3秒で状況を把握できます。


3. 「事実」と「意見」を明確に分ける

議事録で最も信頼を損なうのは、主観と客観が混ざっている文章です。
新人営業ほど「〜と思いました」「〜な印象でした」と書きがちですが、これは避けましょう。

悪い例改善例
「顧客は導入に前向きだと思いました。」「顧客は導入に前向きと発言。」
「コストに敏感な印象を受けました。」「コスト面の質問が多く、価格への関心が高い様子。」

「思う」「感じる」は削除し、根拠となる発言や事実に置き換えること。
それだけで議事録の信頼度が上がります。


4. 議事録は“箇条書き+改行”が命

読みやすい議事録の特徴は、1ブロック3〜5行以内・箇条書き多用です。
長文の段落は視覚的に負担が大きく、情報の整理も難しくなります。

改善前

顧客からシステム導入に関する質問があり、セキュリティ面の不安を感じているようだったため、技術部に確認して後日回答することになりました。

改善後

顧客から以下の質問あり:
・システム導入時のセキュリティ管理体制について
・保守対応の範囲について
→ 技術部に確認後、10/30までに回答予定。

「視覚的に情報を整理する」ことは、上司がメモを読むスピードを上げる最大のポイントです。


5. 議事録作成を効率化するツールの活用

手作業で毎回ゼロから書くのは非効率です。
現場では次のようなツールを活用して、スピードと正確性を両立させましょう。

ツール用途特徴
Googleドキュメント複数人で同時編集コメント機能で上司のフィードバックが即反映
Notion商談データベース化タグ管理・検索性が高く、議事録整理に最適
Teams/Slack共有スピード重視商談終了後に即共有できる簡易テンプレートあり
音声文字起こしアプリ商談中の内容補完会話内容を自動で記録し、抜け漏れ防止

新人営業ほど「書く」よりも「仕組みで正確さを担保」する意識が重要です。
ツールを使いこなす=仕事が速い営業として評価されるきっかけにもなります。


6. 上司に“刺さる”議事録にするコツ

上司は多くの議事録を読むため、あなたの報告をすぐ理解できる形にすることが重要です。
次の3点を意識するだけで、「できる営業」に見られます。

コツ内容効果
要点を3行以内にまとめる冒頭に要約を置く全体像がすぐ掴める
数値・日付を明記する「次回訪問:11/5(水)」などスケジュール管理が容易
提案・決定事項を太字に重要部分を視覚的に強調情報の抜け防止

上司にとって理想の議事録は、「読む時間が最小で、判断が最速」になる文書です。
新人でも、これを意識するだけで圧倒的に評価が変わります。

まとめ

新人営業にとって「商談後の議事録」は、単なる記録ではなく信頼と成果を生み出す営業ツールです。
正しく整理された議事録は、上司の判断を助け、他部署の連携をスムーズにし、次の商談をより成功へ導きます。

本記事で紹介した要点をおさらいします。

ポイント内容
議事録の目的商談内容を整理し、社内外の共通理解を作る
基本構成件名・目的・内容・決定事項・次回アクション
書き方のコツ結論先出し・箇条書き・主観を排除
シーン別活用提案・契約更新・トラブル対応などで書き方を変える
評価される議事録「読む人が動ける」構成とスピード

商談後にきちんと議事録を残せる営業は、「思考が整理されていて再現性が高い」と評価されます。
その積み重ねがあなたの信頼を築き、やがて成果につながります。

まずは今日の商談から、この記事のテンプレートをそのまま使ってみてください。
あなたの「書く力」が、確実に営業成果を変えていきます。

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