新人営業のためのデモ構成ひな形|伝わるデモの作り方と実践テンプレート

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新人営業が商談で最も緊張する場面のひとつが、「製品デモのプレゼン」です。
いざデモを任されても、どんな流れで進めればいいのか、どこを強調すべきか分からず、
気づけば“機能説明だけ”になってしまう…という悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。

しかし、デモは単なる説明の場ではありません。
「顧客が自分の課題を解決できるイメージを持てるかどうか」がすべてです。

この記事では、現役営業リーダーが実践する「伝わるデモ構成のひな形」を紹介します。
準備のコツから、話す順番、質問の入れ方まで、明日から使える実践テンプレートを徹底解説。
「デモが上手い新人」と言われる営業になるための最短ルートをお伝えします。

目次

デモの目的と新人営業が陥りやすい3つの誤解

まず最初に押さえておくべきなのは、デモの目的=操作説明ではないということです。
多くの新人営業は、製品の魅力を「機能の多さ」や「仕様の細かさ」で伝えようとしますが、
顧客が本当に知りたいのは、「自分の課題がどう解決されるか」なのです。


1. デモの本当の目的

デモの目的は、顧客に“自分が使うイメージ”を持ってもらうことです。
言い換えると、「この製品を導入すれば、うちの課題がこう変わる」と思わせること。

悪い例:

「こちらのボタンを押すと、こういう機能が出ます。」

良い例:

「この操作で、御社の月次報告書作成が今より半分の時間で済みます。」

同じ説明でも、「機能」ではなく「成果」にフォーカスすると、顧客の反応が変わります。


2. 新人営業がやりがちな3つの誤解

誤解内容結果
誤解①デモ=機能説明顧客の課題に刺さらず「で、何がいいの?」と思われる
誤解②話す量が多いほど説得力がある顧客が疲れて離脱する
誤解③全機能を見せないと失礼重要部分が埋もれ、印象がぼやける

デモは“全部見せる場”ではなく、“顧客が納得する場”。
伝えるべきは「多さ」ではなく「使う理由」です。


3. 成功デモに必要な3要素

  1. 顧客課題の明確化(何を解決するデモなのか)
  2. シナリオ構成の一貫性(ストーリーでつなぐ)
  3. 体験を促すトーク(顧客が想像できる言葉を使う)

これら3つを軸にすれば、“説明するデモ”から“共感を生むデモ”に変わります。

成約率が上がる「デモ構成ひな形」5ステップ

ここでは、どんな業種・商材でも応用できるデモ構成のひな形(テンプレート)を紹介します。
この流れに沿ってデモを構成すれば、一貫したストーリーと納得感のあるプレゼンになります。


【ステップ1】導入(目的共有と期待づくり)

目的:

顧客に「このデモは自分のための時間だ」と感じてもらうこと。

トーク例:

「本日は、御社が抱えている〇〇の課題に対して、
実際にどのように解決できるのかをイメージしていただけるよう、操作画面を交えてご紹介します。」

ポイント:

  • 最初に「何を見せるのか」「何が得られるのか」を明確にする
  • デモの主導権を握る(顧客に“ついていこう”と思わせる)

【ステップ2】現状課題の再確認(課題の再フレーム)

目的:

顧客の課題認識を再確認し、「このデモは自分の課題解決につながる」と思わせる。

トーク例:

「現在の運用では、〇〇の集計に時間がかかっていると伺いました。
今日はそこをどう効率化できるかを中心に見ていただければと思います。」

ポイント:

  • 「顧客の言葉」をそのまま使って共感を引き出す
  • 課題→期待→デモという流れを意識する

【ステップ3】メインデモ(機能紹介+課題解決の実演)

目的:

“製品の魅力”ではなく、“顧客が得る価値”を伝える。

悪い構成良い構成
「ここでクリックするとA画面が出ます」「この操作で、報告書作成が自動化されます」
「こちらでデータを入力します」「この入力で二重作業がなくなります」

トーク例:

「たとえば、今までは手作業で1時間かかっていた集計を、
このボタンひとつで10秒で完了できます。」

ポイント:

  • “操作説明”ではなく“成果説明”に変換する
  • 3つのポイントに絞って紹介(多すぎると印象が薄れる)

【ステップ4】価値の要約と効果イメージ提示

目的:

デモ後に“理解”ではなく“納得”を生む。

トーク例:

「つまりこの機能を使うことで、
・作業時間が〇%短縮できる
・入力ミスが〇%減る
・チーム内の共有がスムーズになる
といった効果が期待できます。」

ポイント:

  • 数字・具体例でまとめる
  • 顧客が「導入後の姿」を想像できるようにする

ここが“デモから商談に変わる”瞬間です。


【ステップ5】質疑応答+クロージング

目的:

興味が高まったタイミングで「次の行動」につなげる。

トーク例:

「実際に御社の環境で試してみる場合、1週間ほどで初期設定が完了します。
来週の〇曜日に簡単な初期打ち合わせを設定するのはいかがでしょうか?」

ポイント:

  • 質疑応答を“会話”に変える(質問の裏にある意図を読む)
  • デモで盛り上がった流れを“次のアクション”に変える

全体構成まとめ表

ステップ内容目的
① 導入デモの目的と期待を明確に伝える顧客の集中を高める
② 課題確認顧客の課題を再確認共感・一体感を作る
③ メインデモ機能を価値として見せる解決イメージを与える
④ 効果提示得られる成果を数値で伝える納得・興味喚起
⑤ クロージング次の行動を提案商談継続につなげる

「見せるデモ」ではなく「気づかせるデモ」。
それが、成約につながるデモ構成の本質です。

新人営業が押さえるべき「デモの話し方と見せ方」のコツ

デモの構成を理解しても、話し方と見せ方が悪ければ台無しになります。
営業トークのテンポ・操作スピード・視線の使い方など、細部の印象が成約率を左右します。
ここでは、伝わるデモを行うための実践テクニックを紹介します。


1. 「操作よりも言葉」を重視する

多くの新人が“操作を見せること”に集中してしまいますが、
顧客は「操作」よりも「言葉」から価値を感じています。

悪い例:

「次にこのボタンを押すと、グラフが表示されます。」

良い例:

「この操作で、月次報告に必要な数字が一瞬で可視化されます。
つまり、“報告準備にかかっていた1時間”がゼロになります。」

操作=事実、言葉=意味付け。
顧客は“意味”に反応します。


2. 顧客を「巻き込む」質問を入れる

デモ中に一方的に話してしまうと、顧客は受け身になります。
「質問を挟むことで、参加型デモ」に変わります。

有効な質問例

  • 「この画面、御社の業務フローに近い部分ありますか?」
  • 「もしこの仕組みが導入できたら、どの作業が一番楽になりそうですか?」
  • 「この機能があれば、チームの誰が一番喜びそうですか?」

質問を投げると、顧客が“自分ごと”で考え始めます。
デモ=営業の独演会ではなく、顧客との対話です。


3. デモ時間は「15分以内」に収める

新人営業が陥る罠の一つが「デモが長すぎる」こと。
集中力の持続時間を考えると、理想は15分前後、最大でも20分以内です。

時間帯構成内容目安時間
0〜3分導入・目的共有3分
3〜5分課題の再確認2分
5〜13分メインデモ8分
13〜15分効果まとめ・質疑誘導2分

時間制限があるほど、説明は洗練される。
“短く伝える力”が営業としての信頼を高めます。


4. 資料は「3画面以内」に絞る

スライドやデモ画面を何十枚も使うと、顧客は混乱します。
人間の記憶に残るのは3つのポイントまでです。

デモで見せるべき3画面の基本構成

画面内容目的
① トップ画面全体像・直感的な操作性安心感を与える
② メイン機能画面顧客課題を解決する機能効果を実感させる
③ 結果画面成果・出力イメージ導入後を想像させる

「全部見せる」より「覚えさせる」方が重要。
印象に残る3シーンで勝負しましょう。


5. “導入後の未来”を語る

デモは機能のゴールではなく、顧客の未来を描くプロセスです。

未来を想像させる締めトーク例

「この仕組みが入ると、毎月末のあの大変な報告作業が自動化されます。
チーム全体で1日分の時間が浮くイメージです。」

このように、“導入後の生活”をリアルに描くトークは非常に効果的。
顧客は「便利そう」ではなく、「欲しい」と思い始めます。


6. デモ後のフォローを“デモの一部”と考える

多くの新人営業は、デモが終わった瞬間に“終了”だと思いがち。
しかし、デモの本当の勝負は「終わった後」です。

フォローメール例

件名:【本日のデモお礼】導入後の運用イメージ資料をお送りします

本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
デモでご覧いただいた内容を、御社向けに簡単にまとめた資料を添付いたします。
ご不明点や比較検討の際にお役立てください。

「デモ=信頼を築く機会」という意識を持つだけで、あなたの印象は劇的に変わります。

まとめ

新人営業にとってデモは、単なる説明の場ではなく、「顧客に未来を見せる営業ステージ」です。
機能を語るよりも、顧客が“どう変われるか”を感じさせる構成とトークが鍵になります。


本記事の要点まとめ

カテゴリポイント効果
デモの目的操作説明ではなく課題解決の提案顧客の共感を得られる
構成5ステップ(導入→課題→実演→効果→次アクション)ストーリーで伝わる
トークのコツ機能より「価値」を言語化印象に残るデモになる
時間配分15分以内+3画面構成集中力を維持できる
フォローデモ後の連絡を一貫した提案に信頼構築と再接点につながる

営業のデモは、「どれだけ話すか」ではなく、「どれだけ顧客が話したくなるか」で決まります。
共感を軸に、短く・明確に・相手視点で構成されたデモこそが、成約率を劇的に高めます。

「見せる営業」ではなく、「気づかせる営業」へ。
今日からあなたのデモが、顧客の心を動かすプレゼンに変わります。

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