新人営業が最初に理解すべきMQLとSQLの違いを徹底解説!初心者でも成果が出る営業思考を身につける

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営業を始めたばかりの新人にとって、「MQL」と「SQL」という言葉は、聞き慣れないカタカナ用語の代表格ではないでしょうか。
なんとなくマーケティングや営業の数字管理に関係する言葉だとわかっていても、「結局どう違うの?」と疑問に思う人は多いはずです。

しかし、このMQLとSQLの違いを正しく理解して営業活動に活かせるかどうかが、あなたの成果を大きく左右します。
たとえば、見込み客をMQLの段階で放置してしまうと、せっかくのチャンスを逃してしまうことも。逆にSQLにすべきタイミングを誤ると、商談の精度が一気に下がります。

本記事では、営業初心者でもスッと理解できるように、MQLとSQLの定義・違い・実践での活用方法をわかりやすく解説します。
さらに、営業現場で「明日から使える判断軸」や、「リード育成(リードナーチャリング)」の考え方も紹介します。

「数字管理の用語」ではなく、「売上につながる思考法」としてMQLとSQLを理解できるようになる――。
この記事を読み終えるころには、あなたの営業活動が“なんとなくの感覚営業”から、“戦略的な成果営業”に変わっているはずです。

目次

MQLとSQLとは何か?営業初心者が最初に押さえるべき基本

営業やマーケティングの現場では、「リード(見込み客)」という言葉が頻繁に登場します。
このリードを段階的に分類するために使われるのが MQL(Marketing Qualified Lead)SQL(Sales Qualified Lead) です。
それぞれの意味を一言でまとめると以下のようになります。

用語日本語訳意味主な担当
MQLマーケティング的に有望なリードマーケティング施策(資料DL、セミナー参加など)を通じて「興味あり」と判断された見込み客マーケティングチーム
SQL営業的に有望なリード営業担当が「実際に商談化できそう」と判断した見込み客営業チーム

MQLとSQLは、リードの“温度感”の違いを表していると考えるとわかりやすいです。
MQLは「興味はあるけれど、まだ検討段階」。
SQLは「具体的な課題があり、商談に進む可能性が高い状態」。
このようにリードを分類することで、マーケティングと営業がそれぞれの役割を明確に分担し、効率的にアプローチできるようになります。

MQLからSQLへと変化する流れ

リードは最初から「買いたい」と思っているわけではありません。
多くの場合、以下のようなプロセスでMQLからSQLへと進化していきます。

  1. 情報収集段階(MQL)
     → 資料ダウンロード、ウェビナー視聴、SNSフォローなどで興味を示す。
  2. 検討段階(MQLからSQLへ)
     → ニーズが具体化し、営業からのヒアリングに応じる。
  3. 商談段階(SQL)
     → 製品デモや見積もり提示など、具体的な商談フェーズに入る。

この流れを理解せずに「リードが来た=商談」と勘違いすると、成約率が一気に下がります。
営業として成果を出す第一歩は、MQLとSQLの違いを正しく見極める力を身につけることです。

MQLとSQLの違いを理解すると営業効率が劇的に変わる

営業初心者が最初にぶつかる壁のひとつが、「アプローチすべきリードの優先順位がわからない」という問題です。
上司から「このリストに電話して」と言われても、どのリードが今すぐ話を聞きたがっているのか、どれがまだ温めるべきなのか、判断できない。
ここで役立つのが MQLとSQLの違いを明確にする力 です。

MQL=興味段階、SQL=購買段階

まず押さえておきたいのは、MQLとSQLは「リードの購買意欲」を軸に分類されているという点です。

項目MQL(マーケティングリード)SQL(セールスリード)
状態情報収集中検討段階に入っている
温度感低〜中高い
営業の動き育成(メールやセミナーなど)商談(訪問や提案)
成果指標リード獲得数受注率・商談化率

ここでの重要ポイントは、営業活動の“ゴール”が違うということです。
MQL段階では「信頼を築くこと」が目的。
SQL段階では「受注につなげること」が目的です。

つまり、MQL段階でいきなり売り込みをすると失敗しやすいのです。
たとえば、まだ「資料を読んで興味を持ち始めた」だけの相手に対して、いきなり提案資料を送りつけても「まだ早い」と思われるだけ。
逆に、SQL段階の顧客に育成型のメルマガばかり送っても、機会を逃してしまいます。

ここを間違えると、営業は「押し売り型」になる

新人営業によくある失敗が、「全てのリードに同じテンションでアプローチしてしまう」ことです。
この状態だと、MQLにもSQLにも響かない中途半端な営業になります。

たとえば次のようなパターンを想像してみてください。

  • 資料請求をしたばかりのMQLに、即日電話をかけて「導入時期はいつですか?」と聞く。
    → 相手は引いてしまう。
  • 明確な課題を持つSQLに、軽い情報提供メールしか送らない。
    → 機会損失になる。

営業がMQLとSQLを見極められないと、どんなに数をこなしても結果が出ません。
逆に言えば、違いを理解し、段階ごとの最適なアクションを取れるだけで、成約率は大幅に上がります。

「MQL→SQL→商談」の一貫した導線を意識する

最終的なゴールは、「マーケティングで集客したリードを、営業で確実に商談につなげる」こと。
つまり、MQLとSQLはマーケと営業のバトンゾーンなのです。
このバトンをスムーズに渡せるかどうかで、営業組織全体のパフォーマンスが決まります。

営業個人としても、「今このリードはどの段階か?」を常に意識することで、無駄な商談・無駄な提案を減らし、質の高い営業活動ができるようになります。

新人営業がつまずきやすいMQLとSQLの誤解

新人営業が最初に混乱するのは、「MQLとSQLの違いは知っているけど、実際どう扱えばいいのかわからない」という点です。
ここでは、よくある3つの誤解を取り上げて、それぞれの落とし穴と対処法を解説します。


誤解① MQLは営業対象ではない

多くの新人営業が、「MQLはマーケティングが扱うもので、自分たち営業の仕事じゃない」と思いがちです。
これは大きな誤解です。
MQLこそ、未来のSQL候補です。
つまり、「まだ検討は浅いけれど、適切なフォローで商談化できる見込み客」なのです。

この段階のリードを放置してしまうと、競合他社に取られる確率が高くなります。
資料をダウンロードしたということは、すでに何かしらの課題意識を持っている証拠。
だからこそ、「今すぐ営業する」ではなく、「関係を築く」ことに注力すべきです。

対応のポイント

  • 無理に商談に持ち込まない
  • 相手の課題感を掘り下げる質問をする
  • 有益な情報提供(事例・ノウハウ)で信頼を積み重ねる

誤解② SQLはすぐに受注できる

SQL(営業的に有望なリード)と聞くと、「もう受注寸前」と思ってしまいがちですが、それも誤解です。
SQLとは「商談の確度が高い」というだけで、成約確定ではありません。

実際の営業現場では、SQLを正しく扱えないと、せっかくの商談が「なんとなくで終わる」ことが多発します。
大切なのは、SQL段階で“相手の購買動機”を見極めること。

たとえば、

  • 誰が意思決定者なのか?
  • 予算は確保されているのか?
  • 競合はどこか?
    このような情報を的確にヒアリングしない限り、SQLも「温度の高いMQL」で終わってしまいます。

対応のポイント

  • 具体的な課題とKPIをヒアリングする
  • 導入理由や意思決定プロセスを把握する
  • 競合比較を前提に提案資料を準備する

誤解③ MQLとSQLの線引きは曖昧でいい

「MQLとSQLの違いなんて会社によって違うから、なんとなくでいい」と考える人もいますが、それでは営業組織全体の効率が崩壊します。

MQLとSQLの明確な定義がなければ、
マーケは「良いリードを渡している」と思い、
営業は「全然アポにならない」と不満を漏らす――という典型的な“連携不全”が起きます。

企業によって判断基準は異なりますが、重要なのは共通の判断基準をチーム全体で持つこと。

フェーズ判断基準(例)担当部署
MQLセミナー参加、資料DL、メルマガ開封など行動反応ありマーケティング
SQL問い合わせ・見積依頼・明確な課題ヒアリング済営業

このようにルールを明確化し、リードの移行基準をチーム全体で共有することが、営業の成果を安定させる第一歩です。

営業現場でMQLとSQLを使いこなす実践ステップ

ここまででMQLとSQLの違いを理解できたところで、次は実際の営業活動でどう活かすかを具体的に見ていきましょう。
新人営業が成果を出すためには、「理屈」よりも「行動レベルで使える仕組み」を作ることが重要です。


ステップ① リードの段階を明確にラベリングする

まず最初にやるべきは、自分が担当するリードをMQLかSQLかで分類することです。
ExcelやCRMツールを使い、リードごとに「興味段階」「検討段階」「商談段階」といったタグを付けておきましょう。

リード名状態対応内容次のアクション
A社MQL資料DL後のフォローセミナー案内メールを送信
B社SQL課題ヒアリング済見積資料を作成
C社MQLウェビナー参加済アンケート結果を確認

このように整理することで、「今どのリードを育てるべきか」「どのリードに営業をかけるべきか」が一目でわかります。
新人営業ほど、可視化されたリード管理が成果を左右します。


ステップ② MQLには“教育型フォロー”を徹底する

MQL段階では、まだ商談を求めていない顧客が多いため、売り込まずに教育することがポイントです。
ここで役立つのが「リードナーチャリング(リード育成)」という考え方です。

たとえば以下のようなアプローチが効果的です。

  • ダウンロード資料の補足情報を送る
  • 同業他社の成功事例をメールで紹介する
  • SNSやブログで役立つ情報を定期的に発信する

「あなたの会社は役に立つ」という印象を与えれば、相手が検討段階に進んだときにあなたを思い出してくれます。
焦らず、「興味を信頼に変える期間」として捉えることが大切です。


ステップ③ SQLには“課題解決型ヒアリング”で臨む

SQL段階では、リードが「検討モード」に入っています。
このフェーズでは、単なる商品の説明ではなく、顧客の課題解決を軸にしたヒアリングが必要です。

ヒアリングの基本フレームとしては、以下のような流れを意識しましょう。

項目目的質問例
背景現在の状況把握現在の業務フローを教えてください
課題問題点の明確化現在の課題をどのように感じていますか?
目的導入のゴール設定どのような状態を理想とされていますか?
競合他社比較の把握他社ツールも検討されていますか?
次の行動商談化・提案へ次回の打ち合わせ日程を設定しましょうか?

この流れを徹底すれば、「押し売り営業」ではなく「提案型営業」に変わります。
特に新人営業は、「話す量より聞く量」を意識するだけで商談成功率が一気に上がります。


ステップ④ MQL→SQLの移行を定期的にチェックする

最後に重要なのが、リードのステータスを定期的に見直すこと。
「1か月前はMQLだったけど、今はSQLに近い」
というように、リードの温度感は時間とともに変化します。

週に1回でも構わないので、「フォロー対象のリードリストを見直す日」を決めましょう。
これを習慣化することで、商談のチャンスを逃さず掴める営業になれます。

MQLとSQLを連携させる組織的アプローチ

ここまでの内容で、個人としてMQLとSQLを見極める重要性は理解できたと思います。
しかし、営業成果をさらに大きく伸ばすためには、営業チーム全体での連携体制が欠かせません。
特に、マーケティング部門と営業部門の「リード引き渡しルール」を明確に設計することで、成約率は劇的に改善します。


マーケティングと営業がズレると、MQLが死ぬ

多くの企業では、マーケティングが集めたMQLを営業に渡すときに、「まだ熱くないリード」まで一緒に渡してしまうことがあります。
その結果、営業が電話をしても「まだ検討していません」と断られる。
これが続くと営業側は「マーケのリードは質が悪い」と不満を持ち、マーケ側は「営業がフォローしない」と反発する――まさに負のスパイラルです。

この問題を防ぐには、MQLをSQLに昇格させる明確な基準を決めること。
「フォーム入力+資料DL+メール開封率30%以上」のように、数値化された条件をもとに判断するのが理想です。


SLA(サービスレベルアグリーメント)の導入

上記のような基準を組織全体で定める仕組みを SLA(Service Level Agreement) と呼びます。
これは「マーケティングと営業の間で、どんな状態のリードをどう扱うかを取り決める協定」です。

SLAを設定すると、次のような効果が得られます。

  • MQLからSQLへの移行基準が明確になり、責任の所在がはっきりする
  • 営業が本当に温度の高いリードだけに集中できる
  • マーケティングも「成果につながるリード創出」に注力できる

たとえば次のような形で整理します。

フェーズ担当部門基準アクション
MQLマーケティング資料DL、イベント参加、メール開封ナーチャリング配信を継続
SQL営業問い合わせ・課題明確化ヒアリング・商談設定

このように両部門で明確にルール化することで、リードが宙に浮く時間を最小限に抑えることができます。


営業マネージャーの役割は「リードの質のモニタリング」

営業マネージャーに求められるのは、数字を追うだけでなく、リードの質を継続的に見直すことです。
MQLが多すぎて商談化率が低いなら、マーケティング施策を調整。
SQLが少なすぎるなら、MQL育成施策を強化。
こうしたPDCAサイクルを回せる組織は、成約率が安定します。

また、新人営業には「SQL化した瞬間のスピード対応」を徹底させることも重要です。
SQLは“生もの”です。
問い合わせから24時間以内に連絡できるかどうかで、受注確率が数倍変わります。


組織全体で「MQL→SQL→商談→受注」の流れを共有する

営業とマーケティングが一体となって成果を出すには、
単に「MQLとSQLを定義する」だけでなく、全体のリードフローを視覚化することが有効です。

以下のような図を社内共有ツールに掲示しておくと、誰でも自分の立ち位置を理解できます。

フェーズ主担当主な目的主なアクション
リード獲得マーケティング潜在顧客を集める広告、セミナー、資料DL
MQLマーケティング興味の高いリードを育成メール配信、事例紹介
SQL営業商談化の判断とアプローチヒアリング、提案
商談営業受注に向けた交渉提案書作成、クロージング
受注営業契約・フォロー導入支援、アップセル

このように共通認識を持つことで、営業もマーケも「数字の意味」が明確になり、
チーム全体で“成果の流れ”を共有できる営業組織へと進化します。

まとめ

新人営業にとって、MQLとSQLの違いは単なる用語の区別ではありません。
それは、営業活動を「感覚」から「戦略」に変えるための思考軸です。

本記事でお伝えしたポイントをもう一度整理します。

要点内容
MQLとはマーケティング的に有望なリード。まだ検討段階で、信頼構築が目的。
SQLとは営業的に有望なリード。具体的な課題を持ち、商談につながる可能性が高い。
営業の役割MQLでは育成と関係構築、SQLでは課題解決と提案を行う。
チームの重要性マーケと営業がSLA(引き渡し基準)を共有し、リードの温度を見極める。

つまり、MQLとSQLの理解は、リードの“見込み度”を測るコンパスのようなものです。
このコンパスを持つことで、営業の努力を「数」ではなく「質」に変えることができます。

新人営業が最初に身につけるべきスキルは、テクニックではなく「見込み客を正しく見極める感覚」です。
その感覚こそ、将来的にあなたを“成果を出せる営業”へと成長させてくれます。

MQLとSQLをただの略語で終わらせず、毎日の営業活動の判断軸として使いこなす――。
それが、営業で本当に成果を出すための第一歩です。

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