「freeeで働く」という選択肢は、スタートアップやSaaS企業で挑戦したい人にとって非常に魅力的です。しかし、実際には企業文化・求められるスキル・選考のポイント・年収・働きやすさなど、知っておくべき情報が多くあります。
本記事では、freeeの転職事情を余すことなく整理し、転職を成功させるための戦略も踏まえてお伝えします。
読者のあなたが次の一歩を踏み出せるよう、具体的な視点で解説します。
freeeへの転職で後悔しないための完全ガイド|評判・年収・採用情報・選考対策を徹底解説
freeeとはどんな会社か?成長企業の実態を徹底分析
ミッションと事業内容
freee株式会社は、2012年に設立されたクラウド会計ソフトのパイオニア企業です。
代表取締役の佐々木大輔氏を中心に、「スモールビジネスを、世界の主役に。」という強いミッションを掲げています。
クラウド会計・人事労務ソフトを軸に、中小企業・個人事業主のバックオフィス業務を自動化・効率化するプロダクトを展開しています。
freeeの代表的なサービスは以下の通りです。
サービス名 | 概要 | 対象ユーザー |
---|---|---|
freee会計 | 会計・確定申告を自動化するクラウドツール | 個人事業主・中小企業 |
freee人事労務 | 給与計算・勤怠・入退社手続きを一元管理 | 経理・人事部門 |
freeeカード | 法人向けクレジットカード | スタートアップ企業 |
freeeサイン | 電子契約・書類管理をクラウドで完結 | 法務・営業部門 |
創業以来、ユーザー体験を最優先したプロダクトづくりで急成長を遂げ、2020年には東証マザーズ(現グロース市場)に上場。その後も順調に事業を拡大しています。
freeeのカルチャーと社風
freeeの最大の特徴は、「自立駆動型カルチャー」です。
これは、社員一人ひとりがオーナーシップを持ち、「自分で考え、自分で動く」ことを重視する文化を意味します。
組織はフラットで、上下関係よりも「チームとして成果を出す」ことが優先されます。
SlackやNotionなどを活用した情報共有が徹底されており、リモートワーク中心の働き方も定着しています。
また、freeeでは社内でよく使われるキーワードがあります。
キーワード | 意味・価値観 |
---|---|
マジ価値(まじかち) | 本質的な価値を追求し、形式ではなく成果で評価する考え方 |
オープンコミュニケーション | 部門を超えた情報共有と透明性を重視 |
変化を楽しむ | 新しい挑戦を前向きに受け止め、スピードを優先 |
つまり、変化に強く、自走できる人ほど活躍できる環境が整っているのです。
freeeへの転職で人気が高い職種と求められるスキル
人気の職種ランキング
freeeは事業領域が幅広く、エンジニア・プロダクトマネージャー・セールス・カスタマーサクセス・バックオフィス職など多岐にわたる職種で採用を行っています。
転職希望者の間で特に人気が高いのは以下の職種です。
職種 | 主な業務内容 | 必要スキル・経験 |
---|---|---|
ソフトウェアエンジニア | クラウド会計・人事労務プロダクトの開発 | Go・TypeScript・AWS・CI/CDの知識 |
プロダクトマネージャー(PdM) | プロダクト戦略策定・要件定義・リリース管理 | SaaS業界経験・UI/UX設計・データ分析 |
インサイドセールス | 見込み顧客への提案・商談設定・CRM管理 | BtoB営業経験・コミュニケーション能力 |
フィールドセールス | 顧客への提案営業・導入支援 | SaaS営業経験・法人営業スキル |
カスタマーサクセス | 導入後の顧客支援・アップセル提案 | サービス理解・課題解決能力 |
freeeでは、職種を問わず「自分で課題を見つけ、行動できる人材」が求められています。
また、エンジニア職ではGitHubや技術ブログの発信が重視される傾向があり、セールス職では数値管理・KPIへの責任意識が強く求められます。
求められる人物像
freeeの採用ページでも明記されているように、「変化にワクワクできる人」が最も評価されます。
同社では、スタートアップ的なスピード感が日常的に求められるため、指示待ちよりも自走力と挑戦意欲が重視されます。
freeeで活躍している社員に共通する特徴をまとめると、次の3つに集約されます。
- 自ら仮説を立て、行動に移すスピードが早い
- チームを巻き込みながら成果を出すコミュニケーション力がある
- 常に学び続け、変化をポジティブに受け止められる
特に2点目の「巻き込み力」は、freeeの文化の中で非常に重要視されています。
たとえスキルが十分でなくても、チーム全体を動かすリーダーシップを発揮できる人は高く評価される傾向があります。
採用傾向の変化
近年のfreeeでは、急拡大フェーズから安定成長フェーズへと移行しており、採用基準も少しずつ変化しています。
以前は「何でも挑戦できるオールラウンダー」型が多かったのに対し、現在は専門分野を深く理解し、再現性のある成果を出せる人材が求められています。
特に注目されているのが、以下のスキル領域です。
- SaaS業界の営業経験
- データ分析やBIツールの活用経験
- 業務設計や業務改善スキル
- プロダクト志向のエンジニアリング力
これらのスキルを持つ人材は、採用選考で明確に優遇される傾向があります。
freeeの年収水準と待遇のリアル
freeeの平均年収と給与レンジ
転職希望者が最も気になるのは、やはり年収と待遇です。
freeeの平均年収は、約650万〜750万円前後とされています(職種・経験年数により変動あり)。
これは、国内SaaS業界の中でもやや高水準の部類に入ります。
以下は、代表的な職種ごとのおおよその年収レンジです。
職種 | 年収レンジ | 備考 |
---|---|---|
ソフトウェアエンジニア | 600万〜1,000万円 | 技術力・リーダー経験により上限拡大 |
プロダクトマネージャー | 700万〜1,200万円 | 戦略策定・複数プロダクト経験者優遇 |
インサイドセールス | 450万〜700万円 | 成果連動インセンティブあり |
フィールドセールス | 500万〜900万円 | クォータ制あり・歩合は明確 |
カスタマーサクセス | 500万〜800万円 | 顧客継続率・アップセルで評価 |
コーポレート(経理・人事など) | 500万〜800万円 | 実務+システム導入経験者が有利 |
freeeでは給与のほか、SO(ストックオプション)制度やリモートワーク手当などが整備されており、成果と貢献度に応じて報酬を柔軟に設定しています。
働き方と福利厚生
freeeは「働きやすさと自律の両立」を目指した福利厚生制度を導入しています。
フルリモート勤務やスーパーフレックス制度が可能で、特にエンジニア職やバックオフィス職は、全国どこからでも勤務可能なケースもあります。
主な福利厚生・制度を以下にまとめます。
制度名 | 内容 |
---|---|
スーパーフレックス | コアタイムなしの完全裁量制勤務 |
リモートワーク手当 | 在宅勤務にかかる通信・光熱費を補助 |
freeeランチ | 社員同士の交流を促すための食事補助 |
副業可 | 社外での活動や学びを推奨 |
勉強支援制度 | 書籍・セミナー・外部研修の費用補助 |
社員持株会 | freee株を社員が保有できる制度 |
このように、自由度が高く、自己成長を支援する仕組みが整えられています。
特に「副業可」「勉強支援制度」などは、成長意欲の高い人材にとって魅力的です。
年収アップを狙うコツ
freeeで高い評価を得て年収アップを実現するには、単に与えられた業務をこなすだけでは不十分です。
「マジ価値」=本質的な価値を出すことが、給与・昇格評価に直結します。
評価基準は明確で、以下の3点が重視されます。
- 会社のミッションへの共感と具体的な貢献度
- 定量的な成果(KPI・売上・改善率など)
- チーム・他部署を巻き込んでの成果創出
例えば営業職であれば、単なる契約件数よりも「顧客満足度」や「継続利用率」を上げた取り組みが評価される傾向があります。
エンジニアの場合も、コードの品質よりチーム全体の生産性を上げた貢献が昇給に直結します。
freeeの転職選考フローと内定を勝ち取るポイント
選考プロセスの全体像
freeeの採用フローは職種によって異なりますが、基本的には以下の流れで進行します。
選考ステップ | 内容 | 対策ポイント |
---|---|---|
書類選考 | 履歴書・職務経歴書を基にスクリーニング | 実績よりも「思考プロセス」を重視 |
一次面接(現場) | 現場マネージャーまたはチームリーダーが担当 | 具体的な行動・課題解決力を伝える |
二次面接(部門責任者) | 部門長・PdM・VPなど | freeeカルチャーへのフィットを確認 |
最終面接(経営陣) | 役員・人事責任者が担当 | ミッションへの共感と長期的視野を問われる |
オファー面談 | 年収・ポジション調整 | 条件交渉も柔軟に可能 |
freeeでは、「スキル」だけでなく、カルチャーフィットを最重要視しています。
つまり、「何ができるか」よりも「どんな価値観で行動しているか」が評価されます。
面接でよく聞かれる質問
freeeの面接では、単純な経歴確認ではなく、価値観と実践行動の一貫性を見抜く質問が多く出されます。
代表的な質問例をいくつか紹介します。
- 「あなたがこれまでに最もチャレンジしたプロジェクトは?」
- 「freeeのどんな点に共感していますか?」
- 「あなたが考える“マジ価値”とは何ですか?」
- 「変化の多い環境で、成果を出すために意識していることは?」
- 「チームで成果を上げるために、どんなコミュニケーションをとりますか?」
これらの質問に対しては、STAR法(Situation/Task/Action/Result)を使って論理的に答えるのが有効です。
特に「Result(結果)」だけでなく、「Action(行動)」の具体性を伝えることで、再現性のある人材であることを印象づけられます。
書類選考で通過率を上げるコツ
freeeの書類選考通過率は、職種によって異なりますが20〜30%前後といわれています。
他のSaaS企業よりも「志望動機」と「価値観の整合性」を重視している点が特徴です。
書類選考を通過するためには、以下の3点を意識しましょう。
- freeeのミッションとの共感を明確に書く
例:「スモールビジネスを支援する仕組みに惹かれた」「自動化・効率化を通して経営の自由度を高めたい」など。 - 具体的な成果指標を数値で示す
例:「営業チームの成約率を前年比130%に改善」「導入サポート後の継続率を95%に向上」など。 - 使用ツール・スキルを正確に記載する
例:「Salesforce/HubSpot/BigQuery/Looker Studio/Go/AWS」などを具体的に。
このように、“自分の経験がfreeeのビジネス成長にどう貢献できるか”を言語化することが重要です。
内定を勝ち取るための最終アドバイス
freeeでは、最終面接で「ミッション共感」と「中長期の視点」が試されます。
単に「freeeで働きたい」ではなく、「freeeで何を成し遂げたいか」を明確に伝える必要があります。
面接官は、「この人はfreeeの未来を一緒に創れるか?」という視点で判断しています。
したがって、自分のキャリアビジョンとfreeeの事業成長をリンクさせて語れるかが鍵です。
freeeで働く人たちのリアルな声と評判
社員の口コミ・評判の傾向
freeeの社員口コミを総合すると、「裁量が大きく挑戦できる」「人が良い」「スピード感がある」という声が多く見られます。
一方で、「変化が早くついていくのが大変」「自走力が求められる」という意見も一定数あります。
以下は口コミサイトや転職者アンケートなどから抽出した意見の傾向をまとめたものです。
評価項目 | ポジティブな意見 | ネガティブな意見 |
---|---|---|
社風・カルチャー | フラットで心理的安全性が高い | 自分から動かないと埋もれる |
働き方 | リモートワークOK・柔軟な勤務体系 | メンバー間の連携が難しいときも |
成長環境 | 新しい技術や手法を積極導入 | 成果を出すスピードが速くプレッシャー大 |
給与・待遇 | 同業界と比較して高水準 | 昇給ペースは個人差が大きい |
マネジメント | 信頼ベースで自由に任せてもらえる | マネージャーの質にばらつきあり |
結論として、freeeは「自由と責任が同居する職場」です。
主体性がある人には最高の環境ですが、受け身な人にとっては厳しい環境とも言えます。
働くモチベーションを支える「マジ価値文化」
freee社員がよく口にする言葉の一つが「マジ価値」です。
これは単なるスローガンではなく、すべての判断軸が“マジ価値を出せるかどうか”に集約されていることを意味します。
例えば営業職であれば、「数字を上げる」よりも「顧客の業務効率をどれだけ改善できたか」で評価されます。
エンジニアなら「コードの量」ではなく「チーム全体が使いやすい仕組みを作ったか」が重視されます。
freeeにおける「マジ価値」を実践するための行動指針は以下の通りです。
行動指針 | 意味 |
---|---|
変化を楽しむ | 新しい挑戦を恐れず、まずやってみる |
チームプレーを重視 | 個人の成果よりもチーム全体で勝つ |
顧客ファースト | 目の前の顧客課題を徹底的に解決する |
自分ごと化する | すべての業務を自分の責任として捉える |
つまり、freeeのカルチャーにマッチする人材とは、「変化に強く、当事者意識を持ち、顧客中心で考える人」なのです。
社員インタビューに見るリアル
実際にfreeeで働く社員の声をもとに、特徴的なコメントをいくつか紹介します。
「最初はベンチャー的なスピード感に戸惑いましたが、今では“自分が組織を動かす”感覚が楽しいです。」(カスタマーサクセス職)
「freeeは“正解を待つ人”には向いていません。逆に、自分でルールを作りたい人には最高の環境です。」(PdM職)
「リモートでもSlackやNotionを活用して連携できる。むしろオープンな文化が強まった気がします。」(エンジニア職)
このように、裁量とスピードを楽しめる人にとっては、非常に充実した環境といえます。
向いている人・向いていない人の特徴
freeeに向いている人、そうでない人の違いを整理すると次のようになります。
タイプ | 特徴 | 向き・不向き |
---|---|---|
自走型 | 自分で課題を見つけ、すぐに行動できる | ◎ 非常に向いている |
受け身型 | 指示を待ってから動く | ✕ 不向き |
学習意欲が高い人 | 新しいツールや技術を楽しめる | ◎ 向いている |
安定志向 | ルーチンを好み変化を嫌う | ✕ 難しい |
チームプレーヤー | 他部署との協力を楽しめる | ○ 成果が出やすい |
つまり、freeeは「挑戦を楽しめる人」が報われる環境なのです。
まとめ|freee転職で後悔しないために知っておくべき3つのポイント
freeeは、日本のSaaS業界を代表する成長企業でありながら、スタートアップ的なスピード感と自由な文化を今も維持しています。
そのため、「挑戦できる環境で自分を試したい」「プロダクトを通じて社会に価値を出したい」という人には非常に向いています。
転職を検討する際に押さえておくべき重要ポイントは、次の3つです。
- freeeは“カルチャーフィット”を最重要視している
ミッション「スモールビジネスを、世界の主役に。」に共感できるかが鍵。 - 自由度が高いが、同時に自走力が求められる
指示待ちではなく、主体的に動ける人ほど評価される。 - 給与・待遇は高水準で、成果主義が明確
成果を出せばしっかり報われるフェアな仕組みが整っている。
freeeは「正解のない環境で挑戦し続けたい人」にとって、間違いなく魅力的な転職先です。
一方で、安定や明確な指示を求める人には、少しハードに感じるかもしれません。
もしあなたが、変化を楽しみながら成長したいと本気で思うなら、freeeでのキャリアはきっと大きな価値をもたらすでしょう。