営業で結果を出す人ほど、商品説明よりも前に雑談がうまいです。
雑談はただの世間話ではありません。相手の警戒心を解き、信頼関係をつくり、商談を前に進めるための超実践的な営業スキルです。
本記事では、20〜30代の新人営業に向けて、営業で成果に直結する雑談力の考え方と具体的な磨き方を、オタク並みに細かく、でもすぐ使える形で解説していきます。
「何を話せばいいかわからない」「沈黙が怖い」「雑談が苦手で商談が重い」そんな悩みを、今日で終わらせましょう。
なぜ営業で雑談力が成果を左右するのか
営業における雑談は、場を和ませるためのオマケではありません。
商談の成否を8割決める土台作りと言っても、言い過ぎではないです。
雑談がない商談はスタート前から不利
いきなり商品説明に入る商談を想像してください。
相手の頭の中はこうです。
- この人は信用できるのか
- 売り込まれないだろうか
- 早く終わらせたい
この状態でどれだけ良い提案をしても、話は「内容」ではなく「警戒心」で聞かれてしまいます。
ここで効くのが雑談です。
雑談は相手にこう思わせるための時間です。
- この人は話しやすい
- 自分のことをちゃんと見ている
- 無理に売ろうとしていない
この心理状態を作れた瞬間、商談は一気に前に進みます。
雑談がうまい営業は信頼を前借りしている
雑談がうまい営業は、商談前に信頼残高を貯めています。
だから多少説明が拙くても、提案が刺さりきらなくても、話を最後まで聞いてもらえる。
逆に雑談がない営業は、信頼残高ゼロからスタートします。
その結果、少しのミスで「この人微妙だな」と判断されやすい。
ここで一度、整理しましょう。
| 項目 | 雑談がない営業 | 雑談がある営業 |
|---|---|---|
| 商談開始時の空気 | 重い | 柔らかい |
| 相手の警戒心 | 高い | 低い |
| 提案の聞かれ方 | 粗探し | 前向き |
| 成約確率 | 下がる | 上がる |
雑談力は才能ではなく、営業スキルの一部です。
つまり、後天的に確実に伸ばせます。
雑談は「話す力」ではなく「聞く力」
ここで多くの新人営業が勘違いします。
雑談がうまい人は、面白い話を量産できる人だと思ってしまう。
違います。
営業の雑談力の正体は、聞く力です。
- 相手が何に反応するか
- どんな話題なら声のトーンが上がるか
- 何を避けたい雰囲気か
これを観察しながら話を広げる。
だからオタクの早口説明よりも、相手の一言を拾う方が100倍重要です。
この視点を持てるだけで、雑談への苦手意識は一気に下がります。
雑談が苦手な営業がやりがちな勘違い
ここから一気にオタクモードに入ります。
雑談が苦手な営業には、ほぼ共通する思い込みがあります。
まずはそこを壊さないと、どんなテクニックを入れても空回りします。
面白い話をしなければいけないという勘違い
新人営業が一番ハマる沼がこれです。
- 笑わせないといけない
- 話題を途切れさせてはいけない
- 沈黙は失敗
全部間違いです。
営業の雑談で必要なのは、面白さではありません。
必要なのは「安心感」です。
相手は芸人を求めていません。
求めているのは、
- 自分の話をちゃんと聞いてくれる人
- 話を遮らない人
- 否定しない人
この条件を満たせば、雑談は自然に続きます。
雑談ネタを準備しすぎる落とし穴
真面目な営業ほど、事前に雑談ネタを用意します。
- 天気
- ニュース
- 季節の話題
- 業界トピック
これは悪くありません。
ただし、準備しすぎると逆に雑談が不自然になります。
なぜか。
相手の話を聞かずに
「次はこれを話そう」
「今だこのネタだ」
頭の中がこんな状態になるからです。
結果、相手の一言をスルーして、自分の話を始めてしまう。
これが雑談が噛み合わない最大の原因です。
雑談が目的になってしまう営業
もう一つの落とし穴があります。
それは、雑談を盛り上げることが目的になることです。
営業の雑談は、あくまで商談の前準備です。
- 相手を知る
- 空気をほぐす
- 話しやすい関係を作る
これができれば、雑談は短くてもOKです。
むしろダラダラ話す方がマイナスになることもあります。
ここで整理します。
| 勘違い | 実際に必要なこと |
|---|---|
| 面白い話をする | 相手の話を受け止める |
| 話題を途切れさせない | 無理に繋げない |
| 沈黙は悪 | 自然な間は問題なし |
| 雑談を盛り上げる | 信頼を作る |
この勘違いを捨てるだけで、
雑談へのハードルは一気に下がります。
営業の雑談力を一気に向上させる基本フレーム
ここからが本番です。
雑談が苦手な営業ほど、感覚でやろうとして失敗します。
だから型を先に入れる。これが最短ルートです。
雑談は「観察 → 拾う → 広げる」でできている
営業の雑談は、次の3ステップで回っています。
1 観察する
2 拾う
3 広げる
これだけです。
難しいテクニックは一切いりません。
観察する
まずは相手をよく見ます。
- 服装
- デスク周り
- 表情
- 話すスピード
- 声のトーン
ここで大事なのは、評価しないことです。
ただ事実として見るだけ。
例
「今日は少し疲れていそうだな」
「デスクにゴルフの写真があるな」
これでOKです。
拾う
次に、相手が出した情報を拾います。
- 週末は忙しくて
- 最近は人手不足で
- 実は初めてでして
この「実は」「最近」「ちょっと」という言葉は、
雑談の入り口サインです。
ここをスルーすると、雑談は生まれません。
広げる
拾った情報を、軽く広げます。
ポイントは深掘りしすぎないことです。
- それ大変そうですね
- 初めてだと不安ありますよね
- 最近多いですよね
この一言だけで、相手は話し始めます。
雑談が自然に続く質問の型
質問が苦手な営業は、
「何を聞けばいいかわからない」と言います。
答えはシンプルです。
感情に聞く。
使える型はこれです。
- それってどう感じましたか
- 大変じゃなかったですか
- 楽しかったですか
事実ではなく、感情を聞く。
これだけで会話は広がります。
雑談が途切れたときの正解対応
沈黙が来たとき、多くの営業は焦ります。
でも正解は、無理に埋めないです。
沈黙が来たら、こう考えてください。
- 相手が考えている
- 話し終えた
- 切り替えのタイミング
このどれかです。
一呼吸置いてから、
- ありがとうございます
- では本題に入りますね
これでOKです。
沈黙は失敗ではありません。
ここで整理します。
| 雑談が続く営業 | 雑談が止まる営業 |
|---|---|
| 相手を見る | 自分のネタを探す |
| 相手の言葉を拾う | 用意した話をする |
| 感情を聞く | 事実だけを聞く |
| 沈黙を許す | 沈黙を恐れる |
雑談力はセンスではなく構造理解です。
このフレームを意識するだけで、
明日からの商談の空気が変わります。
商談前に使える鉄板の雑談テーマと避けるべき話題
ここまでで、雑談の考え方と型は理解できたはずです。
次は実戦です。
「で、何を話せばいいのか」問題を、ここで完全に潰します。
営業で安全に使える雑談テーマ
営業の雑談には、勝率の高い定番テーマがあります。
これは経験則ではなく、再現性の話です。
相手の「今」に関わる話題
一番安全で強いのが、目の前の状況です。
- 本日はお忙しい中ありがとうございます
- 今日は移動多かったですか
- 先ほどまでお打ち合わせでしたか
この手の話題は、
相手が答えやすく、否定も起きません。
仕事に軽く触れる話題
業界や仕事に触れる場合は、浅く広くが鉄則です。
- 最近お忙しそうですね
- この時期って立て込みますよね
- 最近は変化多いですよね
ポイントは、
専門的に踏み込まないことです。
相手が乗ってきたら、そこで初めて広げます。
相手の持ち物や環境から拾う話題
観察力がそのまま雑談になります。
- その資料、見やすいですね
- デスク周りきれいですね
- オンライン背景、落ち着きますね
評価ではなく、事実ベースの一言がコツです。
雑談で避けるべきNG話題
雑談が苦手な営業ほど、
地雷を踏んで一気に空気を冷やします。
プライベートに踏み込みすぎる話
- 休日は何してるんですか
- ご家族は
- ご年収は
関係性ができる前は、完全にNGです。
距離を縮めるつもりが、警戒心を生みます。
正解が分かれる話題
- 政治
- 宗教
- 強い価値観
- 他社批判
営業の雑談でやる意味は一切ありません。
得より失が大きすぎます。
自分語りが長くなる話題
- 昔は自分も
- 前の会社では
- 自分の武勇伝
これが始まった瞬間、
雑談は営業の自己満足になります。
雑談テーマを選ぶときの判断基準
迷ったら、この3つで判断してください。
| 判断基準 | OKの目安 |
|---|---|
| 相手が答えやすいか | はい |
| 否定や対立が起きないか | はい |
| 相手の話が広がるか | はい |
この条件を満たす話題だけを使えば、
雑談で失敗することはほぼなくなります。
雑談は安全運転でいい。
これを理解できた営業ほど、結果が安定します。
雑談をそのまま商談につなげる営業の切り替え技術
雑談ができるようになった営業が、次にぶつかる壁があります。
それが、雑談から本題に入るタイミングがわからない問題です。
ここをミスると、
- いつまでも雑談が終わらない
- 空気が緩みすぎる
- 逆に急に冷える
こうなります。
なので、切り替えにも型を入れます。
雑談から商談に入る正解の流れ
結論から言います。
雑談は「共感」で締めると、自然に本題に入れます。
流れはこの3ステップです。
1 相手の話に共感する
2 一言まとめる
3 本題に切り替える
例を出します。
- それは確かに大変ですね
- 皆さん同じところで悩まれています
- まさにその点で、今日はお話できればと思っています
これだけです。
唐突感はありません。
切り替えがうまくいかない営業の共通点
切り替えが下手な営業は、
雑談と商談を別物だと思っています。
でも実際は違います。
雑談は商談の前フリです。
- 雑談で出た悩み
- 雑談で見えた温度感
- 雑談で分かった価値観
これを、そのまま商談に使います。
雑談を覚えていない営業は、
ただ話して終わってしまいます。
雑談を商談に活かすメモの取り方
おすすめなのは、
雑談中に頭の中でこの3つをチェックすることです。
| 観点 | 見るポイント |
|---|---|
| 課題 | 困っていること |
| 感情 | 嫌そう 楽しそう |
| 優先度 | 今すぐか後回しか |
これを意識すると、
提案の刺さり方が変わります。
雑談が短くても成果が出る営業の特徴
勘違いしてはいけません。
雑談は長さではありません。
うまい営業は、
- 雑談は短い
- でも相手の話を拾っている
- 本題への流れが自然
この状態を作っています。
雑談が1分でも、
相手が話しやすくなれば十分です。
ここで整理します。
| 雑談が活きる営業 | 雑談で終わる営業 |
|---|---|
| 共感で締める | 話しっぱなし |
| 商談に繋げる | 雑談で満足 |
| 相手基準 | 自分基準 |
雑談は準備運動。
準備運動ができている営業ほど、
商談のパフォーマンスが安定します。
雑談力を継続的に向上させるための実践トレーニング
ここまで読んで、「なるほど、理屈はわかった」と思っているはずです。
でも営業スキルは、知っただけでは1ミリも伸びません。
ここからは、雑談力を現場で確実に積み上げるためのトレーニングの話をします。
雑談力は場数でしか伸びないが、やり方がある
よくある精神論がこれです。
- とにかく数をこなせ
- 慣れればうまくなる
半分正解で、半分間違いです。
考えずに数をこなすと、同じ失敗を繰り返すだけです。
雑談力を伸ばすには、
「振り返り前提の場数」が必要です。
商談後に必ずやるべき3分振り返り
商談が終わったら、次の3つだけを思い出してください。
1 相手が一番話していた話題
2 相手の感情が動いた瞬間
3 自分が拾えなかった一言
紙に書かなくてもいいです。
頭の中でOK。
これを毎回やるだけで、
次の商談の雑談精度が上がります。
雑談が苦手な人ほど記録を取るべき理由
もし余裕があれば、
簡単なメモをおすすめします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 雑談テーマ | 天気 仕事量 移動 |
| 相手の反応 | 良い 普通 微妙 |
| 次回使う話題 | 今回ウケたもの |
これを溜めると、
自分専用の雑談データベースができます。
雑談が得意な営業は、
感覚でやっているように見えて、
実はこの蓄積があります。
雑談力が伸びる営業のマインドセット
最後に、めちゃくちゃ大事な考え方です。
雑談で失敗しても、商談が壊れることはほぼありません。
・少し噛み合わなかった
・反応が薄かった
・沈黙があった
全部OKです。
失敗を避けようとする営業ほど、
無難でつまらない雑談になります。
- 試す
- 外す
- 修正する
このサイクルを回せる営業だけが、
雑談力を武器にできます。
まとめ 営業で雑談力を向上させると商談はここまで変わる
営業における雑談力は、話術でも才能でもありません。
相手を観察し、話を拾い、安心感を作るための再現性ある営業スキルです。
本記事でお伝えしたポイントを整理します。
- 雑談は商談前の空気づくりであり、信頼の前借り
- 面白い話は不要で、重要なのは聞く姿勢
- 雑談は「観察 → 拾う → 広げる」の型で回す
- 安全な雑談テーマを使い、NG話題は避ける
- 雑談は共感で締めて、そのまま商談につなげる
- 商談後の振り返りで雑談力は確実に伸びる
雑談が変わると、
相手の表情が変わり、
商談の空気が軽くなり、
提案の通り方が変わります。
営業で成果を出したいなら、まず雑談力を鍛える。
これは遠回りではなく、最短ルートです。

