「電話で断られてばかり…」「上司のように自然に話せない…」――そんな新人営業の悩みを、一気に解消します。
BtoB営業においてアポ取りは最初の関門。
しかし、経験やトークセンスがなくても、“構造化されたスクリプト”を使えば成果は再現可能です。
本記事では、営業未経験者でも実践できるBtoBアポ取りの成功スクリプトとトーク設計法を徹底解説します。
「相手にガチャ切りされない導入トーク」「アポ率が2倍に上がる質問テンプレ」「断られた後の切り返し方」など、現場で“即使える”会話術を具体的に紹介。
読後には、あなたの営業トークが「お願い営業」から「価値提案営業」に変わります。
新人営業でも“狙ってアポを取る力”を、今日から手に入れましょう。
新人営業がBtoBアポ取りで失敗する典型パターン
新人営業がアポ取りに苦戦するのは、「話し方が下手だから」ではありません。
多くの場合、トーク構成・目的・相手理解のいずれかがズレているのが原因です。
ここでは、BtoB営業で成果を妨げる4つの典型パターンを整理します。
1. ゴールを「アポ」ではなく「説明」にしている
最も多いのが、“商品の説明”を目的にしてしまうパターンです。
BtoB営業では、電話の目的はあくまで「会う約束を取ること」。
説明を始めた瞬間に、相手の頭の中では「もう電話で十分だな」と判断されてしまいます。
NGトーク例
「弊社では営業支援システムを提供しておりまして…」
「使いやすさや費用面でも評価をいただいています…」
改善トーク例
「実際に同業の企業様でも導入が進んでおりまして、
その活用事例を10分ほどでご紹介させてください。」
“説明”をやめて、“提案の約束”を取りに行くこと。
これがBtoBアポ取りの基本姿勢です。
2. 冒頭で相手の時間を奪っている
BtoBの電話営業は、最初の10秒で成否が決まると言われます。
しかし新人営業の多くが、社名・名前・挨拶を長々と述べるというミスを犯しています。
典型的な失敗例
「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の△△と申します。
弊社では~というサービスを扱っておりまして…」
この段階で、相手の集中力はほぼゼロです。
最初の一言で「何の話か」を端的に伝える必要があります。
改善例
「〇〇業界の営業効率化について、1分だけお時間いただけますか?」
「同業の御社で成果が出た取り組みをお伝えしたくお電話しました。」
最初に“話の目的”を示すことで、相手の頭に“価値のフック”がかかります。
3. 決裁者ではなく“受け口”に話して終わる
新人営業が陥りやすいのが、受付や事務担当に止められてしまうパターンです。
BtoB営業では、決裁権者にどう繋げるかが鍵。
ここで重要なのは、「誰に聞いてほしい話か」を明確に伝えることです。
NGトーク
「営業部の方におつなぎいただけますか?」
OKトーク
「営業企画を担当されている方に、
同業で成果が出た施策を共有したくお電話しています。」
“情報提供目的”を前面に出すことで、受付突破率が上がります。
目的を明確にすれば、相手は「紹介しやすい理由」を見つけやすくなります。
4. 断られた瞬間に諦めてしまう
BtoB営業で成果を出す人ほど、断られた後の一言を持っています。
新人営業はここで「そうですか、失礼しました」と切ってしまいがち。
しかし、断られたあとが営業の本番です。
例:断られたときの切り返し
「今すぐではなくても、今後の情報整理の参考にしていただける内容です。
一度だけ、資料をお送りしてもよろしいでしょうか?」
こう言える営業は、“未来の機会”を残せる人。
アポ取りは「一撃で決まるもの」ではなく、「次につながる布石を打つもの」と捉えましょう。
BtoBアポ取りを成功させるスクリプト構成法
「トークがうまくなる前に、“構成”を整えろ」――これは営業の鉄則です。
アポ取りの成否は、言葉遣いよりも「話の流れ」で決まります。
ここでは、新人営業でも即実践できるBtoBアポ取りスクリプトの構成テンプレートを解説します。
1. BtoBアポ取りスクリプトの基本構造
アポ取りトークは、以下の5ステップで構成すると成功率が高まります。
| ステップ | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| ① 導入 | 話の理由と所要時間を明確にする | 相手の防御を解除 |
| ② 共感 | 相手の課題・関心を想定して寄り添う | 興味喚起 |
| ③ 提案 | 提示する価値・情報を短く伝える | 聞く意欲を引き出す |
| ④ クロージング | “提案の機会”を提示 | 行動を促す |
| ⑤ フォロー | 次につながる形で締める | 断られても布石を残す |
この流れを自然に話せるようにすれば、
「何を話すか」ではなく「どう流すか」で結果が変わります。
2. 成功するスクリプトの黄金パターン
以下は、実際のBtoBアポ取りで高い成果を上げている成功パターンスクリプトです。
新人営業でも、この構成を覚えるだけで、アポ率が安定して向上します。
【BtoBアポ取りスクリプト例】
「お忙しいところ失礼いたします。
私、株式会社〇〇の△△と申します。
現在、〇〇業界で営業活動の効率化を支援しており、
同業の企業様でも成果を出されている取り組みを共有しております。
実際に、御社と近い規模の企業様では
〇ヶ月で商談数が平均1.8倍になった事例もございます。
ご参考までに、10分だけオンラインでご紹介させていただけませんか?」
このスクリプトの構造
- 導入:「お忙しいところ失礼します」 → 礼儀と短時間の明示
- 共感:「同業の企業様でも成果を出されている」 → 相手に関係がある話題
- 提案:「〇ヶ月で商談数が1.8倍」 → 具体的数値で信頼を引き出す
- クロージング:「10分だけオンラインで」 → 負担を軽くする
- フォロー:「ご紹介させていただけませんか?」 → 丁寧な誘導で締める
この流れを“テンプレート化”すれば、どんな業界にも応用可能です。
3. “話す順序”を変えるだけでアポ率が上がる
同じ内容でも、話す順番を変えるだけで印象は劇的に変わります。
特に新人営業は、「説明→提案」ではなく「提案→説明」の順に話すよう意識しましょう。
| 順序 | トーク構成 | 顧客の印象 |
|---|---|---|
| 失敗パターン | サービス説明 → 事例紹介 → 提案 | 「話が長い」「結局何をしたいの?」 |
| 成功パターン | 成果事例提示 → 興味喚起 → 詳細説明 | 「その話、聞いてみたい」 |
相手が求めるのは“説明”ではなく“結果”です。
まず成果(=ベネフィット)を伝えてから詳細を話すことで、
相手は自然に興味を持ち、アポ承諾率が上がります。
4. 数字・比較・同業事例を必ず入れる
BtoB営業では、「第三者の事実」や「数値」が最も強力な説得要素です。
信頼を得るためには、主観ではなく“データ”で話すのが鉄則です。
有効な要素例
- 実績データ:「導入後3ヶ月で商談数が1.8倍」
- 比較データ:「従来の方法に比べリード獲得コストが40%減」
- 同業事例:「御社と同じ業界の企業でも成果が出ています」
この3点をトークのどこかに必ず入れるだけで、
「信頼できる営業」という印象を強められます。
5. 成果を出す営業が必ず意識している“締め方”
クロージングの一言は、アポ取りにおいて最も重要です。
多くの新人が「ご都合いかがでしょうか?」と聞いて終わりますが、
それでは相手が“断りやすい質問”になってしまいます。
NG例
「ご都合よろしいときにご説明させてください。」
OK例
「今週の木曜か金曜の午前でしたらどちらがご都合良いですか?」
このように、“選択肢を提示する”クロージングに変えることで、
相手の思考が「断る」から「選ぶ」にシフトします。
BtoB営業の一流は、クロージングの文末で勝負しているのです。
新人営業でも再現できるBtoBアポ取得スクリプト実例集
「台本のように読むと不自然」「結局、自分の言葉で話せない」――そう感じている新人営業の方へ。
安心してください。ここでは、現場で実際に成果を上げたアポ取りスクリプトを、目的別に紹介します。
どれも「テンプレ化 → 自分の言葉に変換」すれば即実践できる構成です。
1. 【初回接触用】警戒されずに話を聞いてもらうスクリプト
初回アプローチでは、「営業感を出さない」ことが最優先。
相手の興味を引きつつ、“短く目的を伝える”ことが鍵です。
スクリプト例(BtoB初回接触)
「突然のお電話失礼いたします。
私、株式会社〇〇の△△と申します。
今、〇〇業界で営業活動の効率化に関する調査を行っておりまして、
同業の企業様の取り組みをまとめた資料をお送りしているんです。
御社のご状況も簡単にお伺いしてよろしいでしょうか?」
ポイント
- 「調査」「共有」「情報提供」という言葉で心理的ハードルを下げる
- “売り込み”ではなく“話を聞く姿勢”を示す
- 相手の「受け取り拒否反応」を最初の10秒で抑える
2. 【中間層向け】興味はあるが迷っている相手へのスクリプト
既にメールや展示会などで接点があり、「興味はあるけど決めていない」という相手には、
「価値+具体例+軽い提案」で背中を押します。
スクリプト例(BtoB中間層)
「以前お問い合わせいただいた件で、
同じ業界の企業が取り入れて成果を上げた最新事例が出まして、
ご紹介を兼ねて10分ほどお話しできればと思いお電話しました。
今週か来週で少しだけお時間いただけますか?」
ポイント
- “以前”や“同業”など、共通点を強調する
- 「最新事例」「ご紹介」など、情報価値を感じさせる
- “会う口実”を自然に作る
3. 【決裁者接触用】短時間で価値を伝えるスクリプト
BtoB営業の肝は「決裁者との会話」。
ただし、決裁者は時間がなく、最初の15秒で“話す価値があるか”を判断します。
ここでは時間軸+実績+提案意図の3点で構成するのがポイントです。
スクリプト例(決裁者向け)
「お忙しいところ失礼いたします。
〇〇株式会社の△△です。
御社と同規模の企業で、
新しい営業効率化施策を導入した結果、商談数が平均で1.8倍になりました。
その具体策を10分だけご紹介したくお電話しました。」
ポイント
- 成果データ(数値)+時間指定(10分)が信頼の要素
- 決裁者には“結論→理由”の順で話す
- 「御社と同規模の企業で」という言葉で関心を引く
4. 【断られた後のフォロースクリプト】
BtoB営業で最も大事なのは、断られてからの一言です。
断られても「今後につなげるトーク」を持っておけば、再アポ率が飛躍的に上がります。
スクリプト例(再接触型)
「そうですよね、今すぐというお話ではないですよね。
ちなみに、同じような課題を抱えていた企業が半年後に導入された事例がありまして、
そちらだけ一度資料で共有させていただければと思うのですが、よろしいですか?」
ポイント
- 相手の否定を受け入れながら、“情報提供”で再接触を狙う
- 「半年後」「同業」などのキーワードで未来への接点を作る
- 一度の断りで終わらせないのがプロ営業の基本
5. 【メールでアポを取る場合】補完スクリプト
電話が難しい場合でも、メール+スクリプト型構成でアポ率を上げることができます。
重要なのは、件名と導入文に“具体的ベネフィット”を入れることです。
メール例文
件名:営業効率化に成功した最新事例のご紹介(所要10分)
〇〇株式会社 △△様
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の□□です。
御社と同じ業界の企業様で、営業支援施策を導入後に商談数が1.8倍になった事例があり、
ご参考までに短くご紹介させていただければと思いご連絡いたしました。
11月5日(火)か6日(水)の午前中、10分ほどお時間いただけますでしょうか?
ポイント
- 件名に「具体的成果」+「時間指定」を入れる
- 文中で「同業」「短時間」「具体的成果」を3点セットで提示
- メールでも“営業感を消した構成”を意識する
6. 【フォローアップ用】展示会・資料送付後のスクリプト
展示会や資料送付後のフォローでも、アポにつなげるチャンスは十分あります。
ここでは、“覚えてもらう前提”で、軽く提案をするトーンがベストです。
スクリプト例
「先日展示会でお話しさせていただいた△△です。
あのときお渡しした資料の中で、御社にも関連が深そうな部分がありまして、
10分だけオンラインで共有させていただければと思いご連絡しました。」
ポイント
- 「あのとき」「資料の中で」と、記憶を刺激する言葉を使う
- 目的は“思い出してもらう”ことであり、“売り込む”ことではない
- 展示会フォローの平均アポ率は48時間以内連絡で約3倍に上がる
このように、目的に応じたスクリプトを使い分けることで、
新人営業でも「自然なアポ取り」が可能になります。
スクリプトは読むものではなく、“流れを掴む型”として使うのが正しい活用法です。
アポ取得率を2倍にするBtoB営業マインドと改善習慣
どんなに完璧なスクリプトを覚えても、“考え方”と“行動習慣”が伴わなければ成果は安定しません。
BtoBアポ取りで成果を上げ続ける営業は、例外なく「断られても淡々と前進するメンタル」と「改善サイクル」を持っています。
ここでは、アポ率を2倍に伸ばす営業マインドと実践習慣を具体的に紹介します。
1. 「断られてからが本番」という思考を持つ
BtoB営業では、アポ獲得率が10〜20%でも優秀といわれます。
つまり、8割は“断られるのが当たり前”という世界です。
優秀な営業ほど、断られたときに「ここからどう次につなげるか」を考えています。
切り返しトーク例
「そうですよね、今すぐという話ではないですよね。
実は、同じような課題を持っていた企業で半年後に導入された事例がありまして、
その概要だけ一度資料でお送りしますね。」
このように“否定を受け入れてから情報提供する”のが鉄則です。
断られた直後の一言が、「興味がない顧客」を「将来の見込み顧客」に変えます。
営業とは、“断りを先送りにする技術”でもあるのです。
2. 「声のトーンとテンポ」を営業ツールとして使う
スクリプトの内容が同じでも、声のトーン・話す速さ・間の取り方によって結果は大きく変わります。
BtoBでは、いわゆる「営業口調」は嫌われる傾向にあります。
重要なのは、“売る人”ではなく“共有する人”のトーンで話すことです。
成功するトーン設定のコツ
| 要素 | 理想の状態 | 効果 |
|---|---|---|
| 声の高さ | 少し低め(落ち着いたトーン) | 信頼感・安心感を与える |
| 話す速さ | 相手の呼吸に合わせる(やや遅め) | 相手の理解を促す |
| 間の取り方 | 提案前・数値提示前に一拍置く | 重み・真剣さを伝える |
新人営業ほど焦って話してしまいますが、「ゆっくり=自信」という印象を与えるため、
意図的にテンポを落とすだけでアポ率が向上します。
3. 「1日10件ではなく、1件ごとの改善」を意識する
数をこなすだけのアポ取りは、成長を止めます。
成果を出す営業は、1件ごとに“何が良くて、何が悪かったか”を分析しています。
振り返りテンプレート(例)
| 項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 相手の興味を引けたか? | どの部分で反応があったか? |
| 断られた理由 | 時期・予算・興味の欠如など |
| 次のアクション | 資料送付・再連絡・SNS接触など |
| 自分の声の印象 | トーン・スピード・余裕の有無 |
1件5分で振り返るだけでも、翌日のアポ率が確実に変わります。
営業力とは、数ではなく“改善量”の積み重ねで磨かれるのです。
4. 「営業は提案ではなく“診断”」という発想を持つ
多くの新人営業は、「うちの商品を紹介しなければ」と考えます。
しかしBtoB営業で成果を出す人は、常に「相手の課題を見つけに行く」姿勢で話しています。
トーク比較
| パターン | トーク内容 | 相手の反応 |
|---|---|---|
| 提案型(NG) | 「弊社の商品は~で、こんな特徴があります。」 | 「うちには関係ない」 |
| 診断型(OK) | 「御社では営業活動の中で、どの部分に課題を感じていらっしゃいますか?」 | 「そういえば最近…」と会話が生まれる |
診断トークは、“会話を生む質問”です。
これを習慣化できる営業は、スクリプトに頼らなくても成果を出せるようになります。
5. 「数字で自分を管理する」習慣を持つ
感覚ではなく、データで営業を管理できる人がプロです。
新人のうちから、自分の行動を数字で可視化する習慣を持ちましょう。
アポ管理表(例)
| 日付 | コール数 | 接続数 | 有効会話数 | アポ件数 | アポ率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10/10 | 80件 | 40件 | 12件 | 3件 | 25% |
| 10/11 | 75件 | 38件 | 10件 | 2件 | 20% |
| 10/12 | 82件 | 46件 | 15件 | 4件 | 26% |
数字を日々記録することで、“どんな日に成果が出やすいか”が見えるようになります。
営業の改善は感覚ではなく、データをベースに戦略を立てることが重要です。
6. 「メンタルを守るルーティン」を持つ
BtoBアポ取りは、精神的な負担も大きい仕事です。
1日に何十回も断られれば、誰でも心が折れます。
だからこそ、成果を出す営業ほど“感情をコントロールする仕組み”を持っています。
例:プロ営業のメンタルルーティン
- 朝の10分間、「昨日の成功トーク」を音声で聞く
- 断られたら、深呼吸して1件前の“良い会話”を思い出す
- 1日の終わりに、「今日一番うまく話せたトーク」をメモに残す
営業の世界では、気持ちの安定=成果の安定です。
メンタルを守る仕組みを作ることが、最も再現性の高いアポ率向上策なのです。
まとめ
BtoBのアポ取りは、話術ではなく構造と習慣で勝負が決まる世界です。
新人営業が成果を上げるために必要なのは、「売り込む勇気」ではなく「準備と再現性」です。
この記事で解説したように、成果を出す営業は次の要素を徹底しています。
| ステップ | 内容 | 成果につながるポイント |
|---|---|---|
| スクリプト設計 | 話の流れをテンプレ化する | 緊張しても軸がブレない |
| トーク改善 | “提案”より“診断”を意識 | 相手が話す時間を増やす |
| クロージング | 選択肢を提示して誘導 | 断られにくい会話を設計 |
| 振り返り | データで自分を分析 | 改善が加速する |
| マインド | 断られても前進する姿勢 | 継続が信頼を生む |
新人営業でも、この流れを意識するだけで、
「数をこなしても結果が出ない営業」から「少数でも確実にアポを取る営業」に変わります。
BtoB営業は、“押す力”ではなく“導く力”が試されるフィールドです。
あなたの一言が、相手のビジネスを動かす価値ある情報になるように。
そしてその積み重ねが、信頼される営業への最短ルートになります。
スクリプトは読むものではなく、“磨くもの”。
今日から、あなたの声と言葉で、最高のアポを作り出してください。

