「野村総合研究所(NRI)」と聞くと、コンサルタントやアナリストのイメージが強いかもしれません。
しかしその中核には、高度なITソリューションを顧客へ届ける“営業職”の存在があります。
NRIの営業は、金融機関や大手企業と向き合い、ITとコンサルティングの融合を提案する非常に専門性の高いポジションです。
本記事では、NRI営業の実態について
- 具体的な仕事内容と提案の進め方
- 成果を出すためのスキルやスタンス
- キャリア形成や年収イメージ
- 他社と比較した際のポジショニングと魅力
を中心に、これから営業職としてのキャリアを目指す方や、IT・コンサル業界への転職を検討する方に役立つ情報をお届けします。
「提案する力で、社会の仕組みを変えていきたい」
そんな意欲を持った方にこそ、NRI営業という選択肢は非常に魅力的なフィールドとなるはずです。
NRI営業の仕事内容と役割
NRI(野村総合研究所)の営業職は、一般的なIT企業の営業とは一線を画します。
なぜなら、提供するのは単なるシステムではなく、クライアント企業の経営課題を解決する“ソリューション”全体だからです。
金融と流通が中心の業界特化型営業
NRIが強みを持つのは、特に以下の2業界です。
業界 | 主なクライアントと課題例 |
---|---|
金融機関 | 大手銀行・証券・保険会社などの基幹システム刷新、リスク管理、FinTech対応 |
流通業 | 小売・物流・ECなどのデータ分析、業務最適化、OMO支援 |
これらの業界では、業界知識とテクノロジーの両方を理解する“ハイブリッド型営業”が求められます。
仕事の進め方と営業プロセス
NRI営業の仕事は大きく以下のフェーズに分かれます。
- 課題ヒアリング
- クライアントの事業課題やIT環境を把握
- 経営層から現場レベルまで、多角的に情報を収集
- 提案設計・社内連携
- コンサルタントやSEと協働し、解決策を構築
- ソリューションの組み合わせやROI試算を含む提案資料を作成
- 商談〜契約締結
- プレゼンテーションや交渉を経て、受注・契約へ
- 多くの場合、数千万円〜数億円単位の案件規模
- プロジェクト伴走と追加提案
- 導入後も顧客との関係を継続し、“次の課題”を拾う姿勢が求められる
NRI営業ならではの特徴
- チームで提案を組み立てる文化:社内のコンサル、SE、研究員と密に連携
- 顧客との関係が長期的:5年〜10年単位で継続的に関係を構築
- 提案内容が社会的影響を持つ:金融インフラや大手流通網など、国全体に関わることも
NRI営業の本質は「システムを売る」ではなく、「企業と社会の仕組みを設計する」ことにあります。
そのため、深い業界理解と論理的な提案力が不可欠なのです。
成果を出すために必要なスキルとマインドセット
NRIの営業は、高度なIT知識や業界理解だけでなく、“本質を見抜く力”と“ビジネス設計力”が求められます。
ここでは、具体的に必要なスキルとマインドセットを解説します。
スキル① ロジカルな提案構築力
- 顧客の経営課題を分析し、根本原因にアプローチするソリューション設計力が重要
- 単なるツール導入ではなく、「業務がどう変わるか」「どんな成果が出るか」をストーリーとして語る力が求められます
- プレゼン資料も、論点を明確にし、経営層に響く構成と根拠を重視
スキル② 社内外の巻き込み力と調整力
- 営業1人で提案を進めることはありません。NRIでは“チーム営業”が基本
- コンサルタント、システムエンジニア、企画担当などと連携してプロジェクトを設計
- 顧客側でも、情シス・現場・経営層との調整が必要となり、橋渡し役としてのリーダーシップが問われます
スキル③ ファクトと仮説を行き来する思考力
- 業界分析や顧客の現状をもとに、仮説思考でニーズを先回りする提案が評価されます
- たとえば「金融業界で◯年以内に◯◯の規制が始まるから、今のうちにこのシステムが必要」といった未来志向の営業ができると、圧倒的な信頼を得られます
マインドセット① 経営視点と当事者意識
- 「この企業が今後どうなるべきか」を、顧客目線ではなく、事業責任者の視点で考える
- 「売る」よりも「共に創る」「共に育てる」意識を持つことで、真のパートナーとして認識されるようになります
マインドセット② 挑戦を恐れない柔軟性
- NRI営業では、従来の枠にとらわれず、“自分たちで新しい仕組みを作る”姿勢が重視されます
- 顧客も最適解を求めている段階であるため、営業側が柔軟に提案の形を変え、都度調整していくことが求められます
NRI営業の本質は「売れる営業」よりも「信頼される営業」になること。 そのために必要なのは、論理的思考・高い解像度の提案力・人を巻き込む力**の3つです。
実際の成功事例とキャリアパスの可能性
NRIでは、営業職であっても早期から高難度なプロジェクトに携われるチャンスが豊富にあります。
ここでは、リアルな成功事例とキャリアの広がりについて紹介します。
成功事例① 入社3年目で大手証券会社のプロジェクトを主導(20代・男性)
- 金融知識ゼロからスタートし、日々新聞・業界誌で情報収集を継続
- 上司・SEと連携し、証券口座管理システムのクラウド移行プロジェクトを提案
- 提案から受注までの半年間、全行程に主担当として関わり、数億円規模の案件に貢献
➡ 若手でも「情報力と行動量」で信頼を勝ち取り、早期から重要なポジションで成果を残せる環境です
成功事例② DX戦略提案でEC企業との長期取引を実現(30代・女性)
- クライアントは急成長中のECスタートアップ。顧客情報の一元化に課題を抱えていた
- 顧客の中長期ビジョンから逆算し、CRMシステム×AI活用による提案を実施
- 結果、単発の案件にとどまらず、マーケティング支援・在庫最適化など複数領域での追加受注に成功
➡ 「目先の課題」だけでなく「事業の未来」まで描ける営業が、長期的なパートナー関係の鍵になります
キャリアパスの柔軟性
NRIでは営業を起点にしながら、多様なキャリアの選択肢が用意されています。
キャリアステージ | 可能な進路例 |
---|---|
若手営業(1〜3年目) | 基礎的な提案活動・業界理解を身につけ、SEやコンサルと協業する経験を積む |
中堅営業(4〜7年目) | 大手顧客を任されるようになり、プロジェクト推進やチームマネジメントに関わる |
キャリア転換(随時) | 営業→コンサルタント、営業→プロダクト企画、海外案件へのチャレンジなども可能 |
マネジメント・専門職層 | 組織の戦略策定、全社横断プロジェクト推進、営業企画や人材育成ポジションも多数存在 |
NRIの営業職は「入り口」にすぎません。 そこから“プロフェッショナル”としてどうキャリアをデザインするかは、あなた次第です。
他社との違いとNRI営業の魅力
NRIの営業職は、いわゆる「IT営業」や「SaaS営業」とは一線を画す存在です。
なぜNRI営業が他社と比べて独自のポジションを確立しているのか――ここではその“違い”と“魅力”を整理して解説します。
他社との違い① プロダクト主導ではなく課題解決主導
多くのIT営業では、特定の製品やサービスを売ることがゴールになります。
一方、NRIではクライアントの課題からスタートし、そこに最適な解決策を組み立てる営業が求められます。
- 提案内容はシステム、運用、コンサルティングまで多岐にわたる
- 「この商品を売る」ではなく、「何をどう変えるか」を一緒に考えるスタンス
➡ 顧客から“パートナー”として扱われる機会が多く、信頼構築のレベルが違います
他社との違い② 経営層との距離が近く、戦略提案が可能
- 大手企業のCIO・経営企画部門と直接やり取りすることも日常的
- 単なるIT導入ではなく、「事業成長を見据えたIT戦略」まで提案のスコープに含まれる
- 特に金融・流通・官公庁などの案件では、国レベルのプロジェクトに関与できることも
➡ 「システム提案」ではなく「未来提案」ができる営業職は、NRIならではです
他社との違い③ 社内リソースと技術力の厚み
- 社内にコンサルタント・ITアーキテクト・データサイエンティストなどが在籍
- 営業としての役割は「顧客ニーズの翻訳者」や「プロジェクトの総合ディレクター」に近い
- チームでの提案・構築が前提のため、一人で抱え込まずに成果を出せる環境
魅力① 営業でも「戦略設計」に関われる
- 市場動向や競合分析、政策変化を踏まえた“全体構想”を描ける機会が多い
- 通常の営業では経験できないスケール感と複雑性を、早期から体感できる
魅力② キャリアの幅が広く、専門性を高められる
- コンサル・開発・PM・経営企画など、専門性を高めながら異動する制度も充実
- 「営業からのキャリアアップが限定されない」ことが、長期的なモチベーションにつながります
比較項目 | NRI営業 | 一般的なIT/SaaS営業 |
---|---|---|
営業スタイル | 課題解決・コンサルティング型営業 | 商材ベース・提案営業 |
顧客層 | 経営層・情報システム部門 | 情報システム部門・現場担当 |
案件規模と影響力 | 社会インフラ級の案件が多く、影響範囲が広い | 中〜小規模の企業支援が中心 |
社内連携 | コンサル・技術者・企画と連携したチーム体制 | 担当者個人の裁量に依存するケースが多い |
NRI営業の魅力は、「大きな構想を描ける立場」と「信頼で案件が生まれる環境」の両立です。 提案力だけでなく、顧客と社会を動かす“戦略思考”を営業職で磨けることが、最大の価値といえるでしょう。
他社との違いとNRI営業の魅力
NRIの営業職は、いわゆる「IT営業」や「SaaS営業」とは一線を画す存在です。
なぜNRI営業が他社と比べて独自のポジションを確立しているのか――ここではその“違い”と“魅力”を整理して解説します。
他社との違い① プロダクト主導ではなく課題解決主導
多くのIT営業では、特定の製品やサービスを売ることがゴールになります。
一方、NRIではクライアントの課題からスタートし、そこに最適な解決策を組み立てる営業が求められます。
- 提案内容はシステム、運用、コンサルティングまで多岐にわたる
- 「この商品を売る」ではなく、「何をどう変えるか」を一緒に考えるスタンス
➡ 顧客から“パートナー”として扱われる機会が多く、信頼構築のレベルが違います
他社との違い② 経営層との距離が近く、戦略提案が可能
- 大手企業のCIO・経営企画部門と直接やり取りすることも日常的
- 単なるIT導入ではなく、「事業成長を見据えたIT戦略」まで提案のスコープに含まれる
- 特に金融・流通・官公庁などの案件では、国レベルのプロジェクトに関与できることも
➡ 「システム提案」ではなく「未来提案」ができる営業職は、NRIならではです
他社との違い③ 社内リソースと技術力の厚み
- 社内にコンサルタント・ITアーキテクト・データサイエンティストなどが在籍
- 営業としての役割は「顧客ニーズの翻訳者」や「プロジェクトの総合ディレクター」に近い
- チームでの提案・構築が前提のため、一人で抱え込まずに成果を出せる環境
魅力① 営業でも「戦略設計」に関われる
- 市場動向や競合分析、政策変化を踏まえた“全体構想”を描ける機会が多い
- 通常の営業では経験できないスケール感と複雑性を、早期から体感できる
魅力② キャリアの幅が広く、専門性を高められる
- コンサル・開発・PM・経営企画など、専門性を高めながら異動する制度も充実
- 「営業からのキャリアアップが限定されない」ことが、長期的なモチベーションにつながります
比較項目 | NRI営業 | 一般的なIT/SaaS営業 |
---|---|---|
営業スタイル | 課題解決・コンサルティング型営業 | 商材ベース・提案営業 |
顧客層 | 経営層・情報システム部門 | 情報システム部門・現場担当 |
案件規模と影響力 | 社会インフラ級の案件が多く、影響範囲が広い | 中〜小規模の企業支援が中心 |
社内連携 | コンサル・技術者・企画と連携したチーム体制 | 担当者個人の裁量に依存するケースが多い |
NRI営業の魅力は、「大きな構想を描ける立場」と「信頼で案件が生まれる環境」の両立です。 提案力だけでなく、顧客と社会を動かす“戦略思考”を営業職で磨けることが、最大の価値といえるでしょう。
働き方・育成制度と営業職の成長環境
NRIの営業職は、ハードな業務内容とは裏腹に、「働きやすさ」と「成長の支援制度」が非常に整っていることで知られています。
ここでは、ワークライフバランスやスキルアップを支える制度について詳しく紹介します。
フレックス制とテレワークの柔軟な活用
- NRIではフレックスタイム制を導入しており、営業職でも時間に柔軟な働き方が可能
- クライアントとの打ち合わせや提案準備など、生産性重視の働き方が浸透しています
- 在宅勤務制度も整っており、オンライン・対面のハイブリッド型営業スタイルが主流
研修・教育制度が充実
- 新卒・中途問わず、入社後はIT基礎・業界知識・営業ロールプレイなど、体系的な研修を実施
- OJT期間も長めに設定されており、実務と理論をバランス良く習得可能
- 若手向けにはプレゼン・論理思考・課題発見トレーニングなどの機会が豊富
➡ 営業未経験や文系出身者でも安心して成長できる土壌があるのが、NRIの特徴です
キャリア支援制度の例
制度名 | 内容 |
---|---|
自己申告制度 | 年に1回、自分の希望する職種や領域を上長に提出できる制度 |
社内公募制度 | 部署をまたいだ異動が可能。営業→コンサル、営業→企画など柔軟に選択可 |
キャリア面談制度 | 定期的に上司と将来のキャリアについて対話。計画的な育成が可能 |
働きがいと働きやすさの両立
- 営業職でも残業時間は適切に管理されており、過度なプレッシャーはかけない風土
- 女性社員の比率も高く、育児と両立して活躍する営業職も多数在籍
- 成果評価はプロセスと姿勢も重視され、数値だけでない“誠実さ”が報われる評価制度
「長く、安心して、高度な営業を続けたい」 そんな思いに応える環境が、NRIには整っています。
それは、単なるホワイト企業というだけでなく、「プロフェッショナルの育成」に本気で取り組んでいる証でもあります。
まとめ
NRI(野村総合研究所)の営業職は、
「売る」ではなく「創る」ことに価値を置く、戦略型の提案職です。
本記事では以下の観点から、その魅力と実態を解説してきました。
- 業界別に異なる深い提案活動とチーム営業の実態
- 成果を出すために必要なスキルと論理的思考
- 成功事例に見る“若手から挑戦できる”キャリア環境
- 他社との違いに見える提案力・社会的影響力の強さ
- 柔軟な働き方と充実した育成制度による成長支援
NRIの営業職は、単なるセールスを超え、顧客企業の未来と日本の社会構造を変える仕事に他なりません。
論理と情熱をもって、複雑な課題に挑みたい方にとって、これ以上ない環境です。
「企業の仕組みを変えたい」「ITとビジネスの両方に携わりたい」―― そんな想いを形にできるのが、NRI営業というフィールドです。