NTTデータの営業職に興味がある方、またはこれから配属予定の若手社員の皆さんへ。
「IT営業って技術が分からないと難しい?」「大手企業の営業で成果を出すには何が必要?」と不安を感じていませんか?
本記事では、NTTデータにおける営業職の役割、提案型営業の実態、若手が実践すべきスキルアップ法を、初心者にも分かりやすく解説します。
特に注目していただきたいのは以下の3点です。
- NTTデータ営業の特徴とIT業界内での立ち位置
- 大手顧客向け提案の流れと営業担当の実務範囲
- 若手でも成果を出すために必要な行動とマインドセット
結論から言えば、「技術を売る営業」ではなく「課題解決の起点となる営業」がNTTデータ営業の本質です。その真価を発揮するために、今どんなスキルを磨くべきかを本記事で具体的にお伝えします。
NTTデータ営業の役割と他社との違い
NTTデータの営業職は、従来の「商品を売る営業」とは大きく異なり、お客様のIT課題を起点にプロジェクトを構想する“ビジネスデザイナー”のような役割を担っています。
営業というより「プロジェクト統括」の役割
NTTデータの営業職が担当する業務範囲は以下の通りです。
主な業務領域 | 具体的な内容 |
---|---|
顧客折衝 | 顧客の現状・課題ヒアリング、ニーズの洗い出し |
プロジェクト企画 | SEと連携してソリューションや開発スコープの設計 |
提案書・見積作成 | 要件に応じた提案資料、費用見積、スケジュール案などの作成 |
契約・交渉 | プロジェクト全体の契約締結、対外調整 |
進捗・関係管理 | プロジェクト中のトラブル対応、顧客満足の維持、継続案件への展開支援 |
つまり、営業はITソリューションの「顔」であり、「橋渡し役」であり、「ビジネス責任者」ともいえる存在なのです。
他社IT営業との違いは「業界密着型の長期提案」
NTTデータは、金融・官公庁・製造・通信・医療など、各業界に特化した事業部が存在します。そのため営業職も以下のような特徴を持ちます。
特徴 | 内容 |
---|---|
顧客密着度が高い | 5〜10年単位で同じ企業や自治体と関係構築を継続 |
ソリューション幅が広い | ERP導入からAI・クラウド・マイグレーションまで横断的に扱うことが可能 |
営業×技術の連携が密 | 提案段階からSEとセットで動くのが基本スタイル |
業界知識が求められる | 単なるIT知識ではなく、業界の制度やトレンドを踏まえた提案が求められる |
つまり、顧客と一緒に“未来の業務の在り方”を描くことが、NTTデータ営業の価値なのです。
若手でも“顧客の右腕”として活躍できる環境
NTTデータでは、若手のうちから以下のような機会が用意されています。
- 数億円規模の公共案件の企画フェーズに同行
- 金融業界の大手顧客に対し、DX推進の課題整理を担当
- 医療機関向けの業務改革提案プロジェクトを主担当として推進
「情報を届ける営業」から「価値を生む営業」へ。 それが、NTTデータの営業という仕事の本質です。
大手顧客向け提案の流れと営業担当の実務フロー
NTTデータの営業は、案件の立ち上げから契約、実行、さらには次フェーズ提案まで一貫して関与します。ここでは、その具体的な提案プロセスと営業の役割を時系列で整理してみましょう。
提案から契約までの基本フロー
フェーズ | 営業の主な役割 | ポイント |
---|---|---|
① 顧客課題の把握 | 定期訪問・ヒアリング・過去データの分析を通じて課題の本質を明確化 | “課題ありき”の営業を徹底する |
② ソリューション設計 | 社内SEやパートナー企業と連携し、最適な技術・体制・スケジュールを構築 | 営業はファシリテーターかつ責任者 |
③ 提案書作成 | 業界特化の課題整理+技術+コスト+ROIを1枚のストーリーに落とし込む | 数字よりも意図の説明が重視される |
④ 契約交渉 | 見積交渉・契約条項の調整・法務チェック・納期調整などを主導 | 社内外のステークホルダーを統合する力が重要 |
⑤ 実行フェーズ管理 | プロジェクト進捗のモニタリング・トラブル時の対応・顧客満足の維持 | 最前線の“窓口”としての信頼構築が重要 |
このように、営業は単なる起点ではなく「提案から成果までをデザインするプロデューサー」の役割を担っています。
案件提案時の“3つの視点”
成果を出している営業が必ず押さえているのが、以下の3つの視点です。
1. 顧客視点(ビジネスニーズ)
- 顧客が何に困っていて、何を達成したいのか?
- 現場・管理職・経営層それぞれの目線を理解する
2. 技術視点(実現可能性)
- 自社の強み・技術の特徴を把握し、過不足ない実現案を構成
- 必要に応じて外部パートナーとの協業も含める
3. 自社視点(採算性・収益性)
- 提案にかかる人員・期間・コストを読み、無理のない計画を設計
→ この3軸のバランスが取れた提案こそ、顧客の信頼を勝ち取るカギとなります。
現場では「調整力×論理構成力」が問われる
提案から契約に至るまでには、必ず以下のような調整が発生します。
- 社内SEとのスコープ調整
- 顧客の調達部門との交渉
- パートナー企業との役割分担
- 法務・セキュリティ部門とのチェック対応
これらを一元的に整理し、合意形成へ導くのが営業の仕事。 つまり、“見えない段取り”こそ、営業の実力が問われる部分なのです。
若手が成果を出すために必要なスキルとマインドセット
NTTデータでは、若手営業でも早期から大規模案件に携わる機会があります。だからこそ重要なのが、「成果を出せる営業に成長するためのスキルとマインドセット」です。
成果を出す若手営業に共通するスキルセット
スキル | 説明 |
---|---|
ヒアリング力 | 顧客が語らない「真の課題」を引き出す質問力と観察力 |
ロジカルコミュニケーション力 | 技術・要件・契約など複雑な内容を整理し、誰にでも分かる言葉で伝える力 |
巻き込み力 | SE・法務・外部パートナーなど複数人を巻き込んで前に進める協働力 |
学習継続力 | ITトレンド・業界知識・プロジェクト管理などを自主的に学ぶ習慣 |
課題解決志向 | 「できるか」より「どうやったらできるか」を考え抜く姿勢 |
これらはすべて、入社直後から“日々の行動”の中で身につけていくことが可能です。
若手営業が意識したい3つのマインドセット
1. 完璧主義より「前に出る勇気」
- 正解を探すより、まず提案・質問・確認する姿勢を優先
- たとえ失敗しても、早めの行動が経験値を一気に伸ばします
2. 顧客のことを“知る”努力を惜しまない
- 業界ニュース・決算資料・自治体の予算書まで読み込む
- 「顧客よりも顧客のことを知る」つもりで情報を仕入れる
→ 営業は「話す仕事」ではなく「調べて動く仕事」でもあります。
3. 社内の“信頼”を資産に変える
- 分からないことは早く聞く
- 他部署に相談する時は背景・目的を端的に伝える
- 日々の「助けられた」「助けた」が、案件推進の後ろ盾になる
成果を出す若手営業の1日の動き(例)
時間帯 | 行動内容 |
---|---|
9:00〜10:00 | 社内SEと案件の提案資料打ち合わせ |
10:30〜12:00 | 顧客企業の部長と面談、業務改善の課題ヒアリング |
13:00〜14:00 | 上司と提案内容のレビュー |
15:00〜16:30 | 顧客向けにプレ提案、SEと共に実現可能性を議論 |
17:00〜18:30 | 見積・契約調整の準備、パートナー企業との作業分担の調整 |
このように、若手でも“顧客を動かす中心にいる”感覚を持ちながら動けるのが、NTTデータ営業の大きな魅力です。
NTTデータ営業の成功事例と実践に学ぶ行動術
NTTデータの営業現場には、若手〜中堅層が大型案件で成果を出す事例が数多く存在します。ここでは2つのリアルな成功ケースを紹介し、そこから導かれる「実践的な行動術」を解説します。
成功事例① 官公庁向けの業務DX提案を主導(入社4年目)
地方自治体向けの電子申請システム刷新に関わった若手営業E氏。以下の行動が成果につながりました。
- 顧客課題の“見える化”ワークショップを自ら企画し、現場職員の声を可視化
- 提案前に、過去10年分の入札資料・事業評価書を徹底分析
- SEやUI/UXチームと連携して「使いやすさ」を起点に提案書を構成
結果的に、初回提案で強い納得感を得て、数億円規模のプロジェクトを獲得。
成功事例② 大手金融機関に対するマイグレーション提案(入社3年目)
中堅銀行向けのシステム刷新案件を担当した若手営業F氏は、以下のような行動で信頼を獲得。
- 移行リスクに対する顧客の不安を先回りし、3段階の移行計画+テスト体制を提案
- 社内SEとの壁を取り払い、進捗会議を営業主導でリード
- プロジェクト開始後も月次レポートを欠かさず提出し、継続受注に貢献
→ 営業として「話して終わり」ではなく、“成果が出るまで伴走したこと”が信頼につながりました。
成功者に共通する3つの行動特性
行動特性 | 内容 |
---|---|
当事者意識 | 「これは自分の案件だ」と捉え、誰よりも考え、誰よりも動く姿勢 |
課題の見える化 | 顧客も気づいていない問題を、図・表・数字で整理して共有 |
信頼の積み上げ行動 | 細かな連絡・確認・報告を積み重ね、「この人なら安心」と思わせる対応力 |
NTTデータ営業の本質は、“信頼を設計する営業”です。数字の前に、「この人と話せてよかった」と思ってもらえる存在であることが、成果の前提条件になります。
若手が今すぐ実践できるNTTデータ営業のスキルアップ法
営業スキルは“センス”ではなく“鍛えるもの”。ここでは、NTTデータの現場で活躍する営業が実践している、「地味だけど効く」スキルアップ習慣を紹介します。
1. 「提案前メモ」を5分で書くクセをつける
提案や面談の前に、以下の3点を紙に書くだけで成果が変わります。
- 相手の立場・役職・関心事
- その日の商談ゴール(情報取得 or 決定 or 関係強化)
- 自分から伝えるべき情報の優先順位
→ たった5分の準備で、“話の軸”がブレない営業に進化します。
2. 社内資料を「営業視点」で読み返す
技術資料やホワイトペーパーを読んだら、必ず以下のように変換しましょう。
- 「このサービスはどの業界・どの立場の人に響くか?」
- 「このソリューションで“何が楽になるか”を3行でまとめられるか?」
→ 情報を“顧客目線”に翻訳できる力が、営業としての武器になります。
3. 週1で“顧客ニュース”を調べる
- 顧客のプレスリリース・IR・業界紙などから、1ネタ仕入れておく
- 面談時に「御社が発表された〜、拝見しました」と一言添えるだけで印象が激変
→ 「ちゃんと見てくれている人」だと思われるだけで信頼が一歩前進します。
4. ロールプレイ×即フィードバックの習慣化
- 上司や先輩に「この提案、5分だけ聞いてもらっていいですか?」と定期練習
- 内容より、「言い方」「順序」「強調ポイント」に注目したアドバイスをもらう
→ 現場での“説明力・印象力”を圧倒的に強化できます。
5. スキルアップ習慣チェックリスト
チェック項目 | できている? |
---|---|
商談前メモを3点セットで書いている | □ |
週1で顧客ニュースを調べている | □ |
社内SEとの雑談を週に1回している | □ |
提案書を「営業目線」で1回読み直している | □ |
ロープレ+フィードバックを月1実施している | □ |
「自分を磨く習慣が、成果を引き寄せる営業をつくる」――これがNTTデータで活躍する若手の共通点です。
まとめ
NTTデータの営業は、単なるモノ売りではなく、「顧客と共に未来の業務をつくるビジネスプロデューサー」です。特に若手営業には、スキルや経験よりも、“考える力・動く力・信頼を積み重ねる力”が求められます。
本記事で紹介したポイントを振り返ると、
- NTTデータの営業は、提案から契約、実行までを一貫して担うプロジェクト型営業
- 顧客・技術・社内調整の3軸をバランスよく扱えることが成果のカギ
- 成功者は「当事者意識」と「課題の見える化」で差をつけている
- 若手でも、準備・行動・内省を徹底すれば確実に成長できる
- スキルアップは“習慣”で決まり、信頼は“積み重ね”で築かれる
ということが分かります。
あなたの小さな行動が、大きな信頼を生み出し、NTTデータの営業としての成長につながります。
自分の強みを活かしながら、「考えて動く営業」への一歩を踏み出してみましょう。