新人営業が成長するための目標設定例とSMART活用法完全ガイド

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「毎月の目標が曖昧で何をすればいいか分からない」「上司に“もっと具体的に立てろ”と言われるけど方法が分からない」——そんな新人営業の悩みをよく聞きます。
営業で成果を出すためには、やみくもに頑張るのではなく、“SMART”な目標設定をすることが重要です。

この記事では、新人営業が1年目から成長するためのSMART目標設定の具体例と、
それを日々の行動に落とし込むための実践テンプレートを紹介します。

「何を、どのレベルまで、いつまでに達成するか」を明確にすれば、営業活動は確実に前進します。
今日からすぐに使えるSMART×営業目標の作り方を一緒に見ていきましょう。

目次

新人営業がやりがちな目標設定の失敗パターン

営業の世界では「目標を立てろ」と言われることが多いですが、
実際には目標を立てて終わりになっている新人営業がほとんどです。

なぜ成果につながらないのか?
その原因は、“目標が曖昧”だからです。


よくある目標設定の失敗例

失敗パターン内容結果
売上だけを追う「月間売上100万円を達成する」達成方法が分からず、行動が止まる
抽象的すぎる「営業力を上げる」「信頼される営業になる」何をすればよいか不明確で進捗が測れない
他人任せ「チームの数字を支える」自分の責任範囲が不明確で成果に貢献できない
数字だけ「50件アポを取る」数量目標だけで質が伴わず、疲弊する

これらの目標は、いずれも「行動がイメージできない」点が共通しています。
営業で成長するためには、“行動レベルで定義できる目標”を設計しなければなりません。


なぜ曖昧な目標は成長を止めるのか

人は「何をすればいいか分からない」状態では、モチベーションを維持できません。
たとえば「営業力を上げる」と言われても、

  • どのスキルを?
  • どの期間で?
  • どんな指標で?

これらが欠けていれば、日々の行動はバラバラになります。

目標は“具体的な行動の指針”であって、スローガンではない。
ここを理解できるかどうかで、成長速度がまったく変わるのです。

SMARTとは何か?営業に最も効果的な目標設定法

営業の世界で最も有名な目標設計のフレームワークが、「SMART」です。
これは、成果を出すために必要な5つの要素の頭文字を取ったもの。
世界中のトップ営業・マネージャーが実践している、“目標を実現可能にする最強の法則”です。


SMARTの基本構成

項目意味営業目標での考え方
S(Specific)具体的である誰が・何を・どのように行うかを明確にする
M(Measurable)測定可能である数字で成果を確認できるようにする
A(Achievable)達成可能である現実的で、かつ挑戦的な範囲に設定する
R(Relevant)関連性があるチーム・会社の目標に関連している
T(Time-bound)期限が明確である達成までの期間を明示する

これら5つの要素を押さえることで、
「頑張ります」「売上を上げます」といった抽象的な目標を、行動ベースの目標に変えることができます。


SMARTを使った目標設定の考え方

例えば、「アポイントを増やしたい」という曖昧な目標をSMARTで整理すると以下のようになります。

要素内容
Specific新規顧客へのテレアポ件数を増やす
Measurable1日20件→1日30件に増やす
Achievable業務効率化で可能な範囲に設定
Relevantチーム目標(月間新規アポ数100件)に直結
Time-bound1か月以内に定着させる

結果、明確な目標はこうなります。

「1か月以内に、1日のテレアポ件数を20件から30件に増やし、チームの月間アポ数100件の達成に貢献する。」

このようにSMARTを使うと、「目的・手段・期限」が一目でわかる目標に変わります。


SMART目標の最大のメリット

  • 「やるべきこと」が明確になる
  • 「できた・できていない」が判断できる
  • チームとの共有・フィードバックがしやすくなる
  • 行動習慣が定着する

つまりSMARTは、「努力を可視化する仕組み」なのです。
漠然と努力するのではなく、SMARTを使って「努力の方向を正確に合わせる」ことが、新人営業の最短成長法です。

新人営業でもすぐ使えるSMART目標設定例【実践テンプレ付き】

「SMARTは理解できたけど、実際にどう書けばいいのか分からない」——
そんな方のために、新人営業でもすぐに実践できるSMART目標の例をシーン別に紹介します。


① テレアポ(アポイント獲得)に関するSMART目標例

SMART要素設定内容
Specific(具体性)新規リストへの架電数を増やす
Measurable(測定可能)1日20件 → 1日30件に増加
Achievable(達成可能)昼休憩後の30分を集中架電時間に設定
Relevant(関連性)月間アポ率5%アップでチーム達成率に貢献
Time-bound(期限)今月中に1日30件の習慣を定着させる

最終目標文例:

「今月中に、1日の架電数を30件へ増やし、月間アポ率を5%アップさせることでチーム売上に貢献する。」

ポイント: 数量(架電数)と質(アポ率)を両立させる設定が効果的です。


② 商談力(ヒアリング・提案スキル)に関するSMART目標例

SMART要素設定内容
Specific商談時にヒアリング項目を全て確認する
Measurable10回中8回の商談で全項目を実施
Achievable商談前にヒアリングシートを作成して臨む
Relevant提案精度の向上=受注率向上につながる
Time-bound3週間以内にシート活用を定着させる

最終目標文例:

「3週間以内に全商談でヒアリングシートを活用し、受注率を20%→25%に向上させる。」

ポイント: “習慣化+成果指標”をセットにすることで、スキルが定着します。


③ クロージング(契約)に関するSMART目標例

SMART要素設定内容
Specific商談後24時間以内にフォロー連絡を実施
Measurable月間10件中8件以上で実施
Achievable商談後に即タスク登録・リマインド設定
Relevant素早いフォローで信頼度と成約率を向上
Time-bound1か月以内に100%実行を習慣化

最終目標文例:

「商談後24時間以内に全件フォロー連絡を実施し、成約率を20%→30%に向上させる。」

ポイント: “スピード×継続”を意識することで、信頼構築の質が向上します。


④ 顧客フォロー・リピート営業に関するSMART目標例

SMART要素設定内容
Specific既存顧客への定期フォローを強化
Measurable週に5件以上の既存顧客フォローを実施
Achievableカレンダーに「顧客フォロー枠」を固定化
Relevant継続的フォローでリピート受注率を上げる
Time-bound2か月以内にフォロー率80%を達成する

最終目標文例:

「2か月以内に既存顧客の週次フォローを80%実施し、リピート受注率を10%アップさせる。」

ポイント: “定量+ルール化”がリピート営業のコツ。


⑤ 自己成長(スキルアップ)に関するSMART目標例

SMART要素設定内容
Specific1日15分、営業書籍または成功事例を学習
Measurable月20日間の学習を記録
Achievable出社前または退勤後に固定時間を設定
Relevantスキル向上が提案力・会話力の底上げに直結
Time-bound1か月以内に20日実施を達成する

最終目標文例:

「1か月以内に、営業関連の学習を20日間継続し、次回商談で3つ以上の改善点を実践する。」

ポイント: 「成長=継続+実践」で測ると、達成感が得やすくなります。


SMART目標テンプレート(自由記入用)

SMART要素あなたの設定内容
Specific(具体的に)
Measurable(測定可能に)
Achievable(達成可能に)
Relevant(関連性を持たせる)
Time-bound(期限を決める)

このテンプレートを使えば、どんな目標でも「行動ベース+期限つき」に変換できます。

SMART目標を行動に落とし込む実践ステップ

SMART目標を立てただけでは、成果にはつながりません。
重要なのは、「どう日常の行動に落とし込むか」です。
ここでは、新人営業が現場でSMART目標を実践するための具体的なステップを紹介します。


ステップ① 目標を「行動単位」に分解する

「1か月で売上100万円を達成する」という目標をそのまま掲げても、日々の行動が見えません。
これをSMARTに沿って分解すると、以下のようになります。

目標行動単位に分解日々の実践例
売上100万円アポ取得10件 × 成約3件1日2件のアポを目標に設定
アポ取得10件架電200件 × 接続率20%1日10〜15件の電話実施
成約3件商談7件 × 成約率40%商談後24時間以内にフォロー

つまり、目標を「日々のタスクレベル」まで落とし込むことが成長の第一歩です。


ステップ② 目標を“見える化”して意識を保つ

SMART目標を立てたら、常に意識できるように見える化します。
具体的には次の方法が効果的です。

  • ノートやカレンダーに書く(視覚化)
  • デスク前に貼る(毎日確認できる位置に)
  • 朝会・終礼で口に出す(宣言効果)

人は、見える目標に対してのみ行動が最適化されます。
つまり、SMARTの「M=測定可能」「T=期限」を目に見える形で置くことが重要です。


ステップ③ 行動を「数値化」してフィードバックする

毎日の営業活動を記録し、数字で自己評価しましょう。

日付架電数アポ数商談数成約数フィードバック
10/1025210架電は多いがクロージング弱い
10/1130311フォロー対応が好印象だった
10/1228221商談の冒頭トークを改善

こうして日々の行動を数字で可視化すれば、課題点が自分で見えてくるようになります。
SMART目標は、記録してこそ“成長データ”に変わるのです。


ステップ④ 定期的に「SMART再設定」を行う

目標は1回立てて終わりではなく、1〜2か月ごとに見直すことが大切です。

見直す際は次の3つの質問を使いましょう。

  1. 何がうまくいったか?(S・Aの確認)
  2. どこが測定しにくかったか?(Mの再設定)
  3. チーム目標とのズレはないか?(R・Tの調整)

このプロセスを続けることで、SMARTが“PDCAの土台”になります。


ステップ⑤ “努力の証拠”を残す

営業は成果主義の世界ですが、行動の記録=努力の証拠です。
上司への報告や評価の際にも、
「行動をSMARTに管理していた」というデータは、信頼を生む強力な武器になります。

SMARTを使うことで、“頑張っているつもり”から“成果を生む努力”へ。
この変化が、新人営業から一人前へ成長する分岐点です。

まとめ:SMART目標で新人営業は“成長を設計できる営業”になる

営業で結果を出す人と、努力しても伸びない人の違いは、「目標をどう立てているか」にあります。
SMARTを活用すれば、「頑張る」ではなく、「何を・いつまでに・どのレベルで」を明確にできる。
つまり、成長を“偶然”ではなく“設計”できるのです。

この記事で紹介したポイントを振り返りましょう。

  • SMARTは「具体・測定・達成・関連・期限」の5要素で構成される。
  • 抽象的な目標を「行動ベース」に変えることで、達成率が上がる。
  • 数字・期限・行動の3軸を明確にすると、成長のスピードが加速する。
  • 定期的な見直しで、SMARTは「習慣」になる。

営業で成功する人は、最初から特別なスキルを持っているわけではありません。
違うのは、「ゴールまでの地図(SMART)」を持っているかどうかです。

今日からあなたも、
“なんとなく頑張る営業”を卒業し、“目的を持って動く営業”に進化しましょう。

SMART目標が、あなたの成長の軌道を確実に変えてくれます。

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