新人営業が絶対に身につけるべき電話マナーと台本例で商談チャンスを逃さない方法

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営業の世界で「電話対応」は、名刺交換よりも先にあなたの印象を決める最初の戦場です。特に新人営業にとって、電話一本で商談のチャンスをつかむか逃すかが決まることも少なくありません。
「電話が苦手」「何を話せばいいのかわからない」「失礼のない言葉づかいが不安」――そう感じている人は多いですが、安心してください。営業電話はマナーと台本の型を身につければ、誰でも成果を出せます。

本記事では、新人営業がまず押さえるべき電話マナーの基本から、実際に使える電話トーク台本のテンプレート、さらに先輩営業がやりがちな失敗例とその回避法までを徹底解説します。
読むだけで、あなたの電話対応が“即戦力レベル”に進化する内容です。

目次

営業電話の基本マナーを徹底理解する

新人営業にとって、電話対応は単なる「連絡手段」ではありません。信頼を築く最初のプレゼンです。
だからこそ、マナーを知らずに電話をかけるのは、準備なしで商談に臨むのと同じこと。ここでは、電話営業の「基本の型」と「よくあるマナー違反」を整理します。

電話営業の目的を明確にする

まず押さえるべきは、「電話をかける目的」を明確にすることです。
目的があいまいなまま話すと、相手に“営業っぽさ”が伝わり、警戒されてしまいます。

目的具体的な例話し方のポイント
情報収集相手の課題や担当者を確認する質問を中心に短く話す
アポイント取得訪問やオンライン商談の約束を取る相手の時間を尊重する表現を使う
フォロー連絡提案後の状況確認や資料送付感謝を伝えつつ短く要点を述べる

「この電話で何を得たいのか」を自分の中で明確にしてから電話をかけるだけで、会話の質が一気に変わります。

新人営業が守るべき5つの電話マナー

営業電話は、マナーを守るだけで印象が劇的に変わります。以下の5つは必ず押さえましょう。

  1. コール3回以内で出たら、明るく名乗る
     →「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇の△△でございます」
  2. 相手の都合を確認する
     →「いまお時間よろしいでしょうか?」の一言が信頼を生みます。
  3. 要件を簡潔に伝える
     →ダラダラ話さず、30秒以内に“電話の目的”を明確に伝える。
  4. 言葉づかいを丁寧に保つ
     →「伺う」「承知いたしました」など、尊敬語と謙譲語の使い分けを意識。
  5. 最後に感謝を伝える
     →「お忙しいところお時間をいただき、ありがとうございました」で締める。

よくあるマナー違反と印象の差

悪い例良い例
「すみません、今お時間いいですか?」「お忙しいところ恐れ入ります。いまお時間よろしいでしょうか?」
「じゃあまたお願いします」「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました」
「名前なんでしたっけ?」「失礼いたしました。改めてお名前を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

マナーの差は「誠実さ」の差です。
丁寧な言葉づかいは、営業トークよりも強力な武器になります。

電話トークを成功させる台本テンプレート

営業電話において最大の不安要素は「何を話せばいいかわからない」という点です。
しかし、営業電話には“成果を出すための型”=台本があります。
ここでは、目的別に使える新人営業向けの電話台本を紹介します。
実際に音読しながら練習することで、自然とスムーズな会話ができるようになります。


【台本1】初回アポイント獲得用

目的:新規顧客へのアプローチ。相手に興味を持ってもらい、訪問やオンライン商談につなげる。


■ 開始部分(自己紹介と切り出し)

「お忙しいところ恐れ入ります。私、株式会社〇〇の△△と申します。
〇〇業界向けに□□のサービスをご提供しております。
突然のお電話で恐縮ですが、△△様(または御社)で〇〇のご担当をされている方でいらっしゃいますか?」

■ 要件の提示

「ありがとうございます。実は現在、〇〇の課題解決で多くの企業様にご評価いただいておりまして、
△△様にも一度、簡単にご紹介のお時間をいただければと思いましてご連絡いたしました。」

■ クロージング(アポ取得)

「ご多忙の中恐縮ですが、今週または来週のどちらかでお時間を10分ほどいただけませんでしょうか?
オンラインでも結構です。」

■ 締めの言葉

「本日は突然のお電話にもかかわらず、お時間をいただきありがとうございました。
当日どうぞよろしくお願いいたします。」


【台本2】フォロー電話用

目的:以前の提案や資料送付後に、相手の反応を確認する。

■ 開始部分

「お世話になっております。株式会社〇〇の△△でございます。
先日、□□の資料をお送りしました件で少しだけご確認のお電話を差し上げました。」

■ 要件の提示

「お手元に届いておりますでしょうか?
内容について何かご不明点やご質問などございませんか?」

■ クロージング

「もしよろしければ、改めて具体的な導入事例をご紹介できるお時間を10分ほどいただければと思います。」


【台本3】クレーム対応・トラブルフォロー用

目的:顧客の不満やトラブルを電話で誠実に対応する。

■ 開始部分

「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の△△でございます。
この度はご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。」

■ 内容確認と共感

「〇〇の件でご迷惑をおかけしたとのこと、深くお詫び申し上げます。
詳細をお伺いし、早急に対応いたします。」

■ 締めの言葉

「この度はご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。
今後このようなことがないよう改善を徹底いたします。」


台本を使うときのポイント

ポイント内容
丸暗記ではなく“流れ”を理解する台本は会話の地図。覚えるのではなく、順番を体で覚える。
相手の反応を遮らない営業は話すより「聞く」姿勢が印象を決める。
声のトーンを一定に保つ高すぎても低すぎてもNG。やや明るく、落ち着いた声を意識する。

台本は“セリフ”ではなく、“導線”です。
相手の反応に応じて柔軟にアレンジできるようになれば、あなたの営業力は一段階上のステージに上がります。

新人営業がやりがちな失敗と改善ポイント

どんなに台本を用意しても、現場では想定外の反応が返ってくるものです。
新人営業がつまずきやすいのは、実は「内容」よりも「態度や言葉づかい」の部分。
ここでは、よくある失敗例と、それを乗り越える具体的な改善策を紹介します。


1. 声が小さい・トーンが沈んでいる

営業電話で最も多い失敗がこれです。
声が小さいと「自信がなさそう」「頼りない」と思われ、話を聞く前に印象で負けてしまいます。

改善策

  • 電話前に「口角を上げて話す」練習をする
  • 相手がメモを取っていると想定し、「一音一音をはっきり」発音する
  • 着信直後の最初の5秒で“明るさ”を印象づける

声の印象は、内容以上に記憶に残ります。
「少しオーバーなくらい明るく」が電話ではちょうどいいのです。


2. 相手の反応を待たずに話し続ける

焦って話しすぎるのも新人によくあるパターンです。
説明が長くなると「売り込みっぽい」と思われ、会話の主導権を奪われます。

改善策

  • 1文ごとに「間」を取る(呼吸を置く)
  • 「〜でいらっしゃいますか?」で質問を終え、返答を待つ
  • 相手のトーンを聞いて話のペースを合わせる

営業電話は、“話す時間より聞く時間”を長くすることが鉄則です。


3. 敬語や表現の誤用

新人が一番ヒヤッとする瞬間が「言葉づかいを間違えたとき」です。
特に、「二重敬語」「ため口まじり」「クッション言葉の欠如」は要注意。

誤用例正しい言い方ポイント
「〜のほうになります」「〜でございます」過剰な丁寧語は不自然
「よろしかったでしょうか?」「よろしいでしょうか?」過去形は避ける
「了解しました」「承知いたしました」目上には必ず謙譲語

言葉は印象を左右する最大の武器。
とくに電話では表情が見えないぶん、語彙力とリズムで信頼感を作ることが求められます。


4. メモを取らずに会話してしまう

電話の最中に「相手の名前や要件を忘れる」というのも典型的な新人ミスです。
信頼を得るには、“記録する姿勢”=誠実さの証明になります。

改善策

  • 常に「日付・相手名・要件・次回アクション」をメモする
  • 電話の最後に復唱する(例:「確認させていただきます。本日〇〇の件ですね」)
  • 電話終了後、すぐCRMやメモ帳に内容を整理

書くことで自分の話のクセも見えてきます。
“メモは営業の鏡”と心得ましょう。


5. 切り際が雑・余韻が悪い

電話の印象は「最後の10秒」で決まると言われます。
雑に切ると、それまでの誠実な会話がすべて台無しです。

改善策

  • 「お忙しいところありがとうございました」を必ず添える
  • 相手が受話器を置く音を確認してから静かに切る
  • 最後まで“丁寧さ”を意識することで、好印象が残る

電話を切る瞬間まで、あなたの“営業力”は試されています。
余韻を制する者が、電話営業を制します。

即戦力になる電話対応のコツと実践テクニック

マナーや台本を理解したら、次は「現場で成果を出すための実践テクニック」です。
営業電話の結果を分けるのは、ほんの数秒の判断と工夫
ここでは、明日からすぐ使える実践ノウハウを具体的に紹介します。


1. 第一声で印象を決める「トーン戦略」

電話の印象は、最初の3秒で8割決まると言われます。
つまり、第一声のテンションが“成功の分かれ目”なのです。

トーンタイプ相手の印象適したシーン
明るめトーン(+10%)活気・信頼・好印象初回電話・新規開拓
落ち着いたトーン安心・信頼・誠実フォロー連絡・クレーム対応
やや柔らかいトーン親しみ・相談しやすさ継続顧客・定期連絡

声は営業の表情です。
あなたが笑っていれば、声にも笑顔が乗ります。
電話前に軽く笑顔をつくってから話すだけで、声のトーンは驚くほど柔らかくなります。


2. 名前を“武器”にする

人は自分の名前を呼ばれると、相手に好感を持ちやすくなります。
この心理を営業に応用しましょう。

実践ポイント

  • 会話中に相手の名前を“2回”は入れる
  • 「〇〇様がおっしゃる通りですね」と“共感+名前”で親近感を強化
  • 「失礼しました、〇〇様」など、フォロー時も名前を添える

名前を呼ぶことで、単なる営業電話から「1対1の対話」に変わります。


3. 相手のリアクションを“鏡写し”にする

営業トークでは「ミラーリング」というテクニックがあります。
これは、相手の話し方やテンポを合わせることで、無意識に好感を得る方法です。

例:

  • 相手がゆっくり話す → あなたもペースを落とす
  • 相手が短く答える → あなたも簡潔に返す
  • 相手が「そうですねぇ」と考える間を取る → 同じリズムで間を置く

人は自分と似たテンポの人に“安心感”を覚えるものです。
営業の勝負はリズムの共有にあります。


4. 断られたときの切り返し方

新人営業が一番苦手なのが「断られたときの対応」です。
しかし、断られてからが本当の営業。焦らず、相手の温度を保つことが重要です。

相手の反応悪い対応良い対応
「結構です」「そうですか、失礼しました」「承知いたしました。ちなみに、〇〇の課題はすでに解決済みでいらっしゃいますか?」
「忙しいので」「ではまた改めて」「ありがとうございます。来週でしたらお時間取りやすい曜日はございますか?」
「興味ないです」「わかりました」「ありがとうございます。差し支えなければ、今お使いのサービスだけ教えていただけますか?」

断られても関係を切らない。
その積み重ねが、数か月後の「突然のチャンス」につながります。


5. 1日の電話活動を“仕組み化”する

成果を出す営業は、電話を“習慣化”しています。
感情で動くのではなく、仕組みで継続できるようにすることがポイントです。

時間帯アクション理由
9:00〜10:00準備・トーク練習・前日の整理頭が冴えている時間に計画を立てる
10:00〜12:00新規電話(初回アポ)相手が出やすい時間帯
13:00〜15:00フォロー電話・確認連絡午後のデスクワーク時間帯
16:00〜17:30再提案・進捗確認担当者が捕まりやすい時間
17:30〜18:00日報・CRM整理改善点を記録し、次の日に活かす

「やる気」ではなく「仕組み」で電話を続ける。
成果を出す営業は、ルーティンで結果を積み上げています。

電話営業を成功させるための思考法とメンタルコントロール

営業電話は「技術」だけでなく、「心の持ち方」でも成果が変わります。
特に新人営業は、断られることに慣れていないため、モチベーションが下がりやすい。
しかし、正しい思考法とメンタルの保ち方を身につければ、電話営業は“恐怖の時間”から“成果を生み出す時間”に変わります。


1. 「断られる=失敗」ではない

多くの新人が誤解しているのは、「断られた=失敗した」と思い込むことです。
実際、トップ営業ほど「断られてからがスタート」だと考えています。

状況一般的な考え方トップ営業の考え方
電話で断られたもう興味がないタイミングが違うだけ
担当者が不在チャンスがない別の窓口を開拓できる
資料送付だけで終わる脈なし接点をつくれた成功体験

成功する営業は「成果」ではなく「接触数」を追う。
断られる回数が多いほど、成約率は上がるというデータもあるのです。


2. 電話前の「スイッチ」を作る

営業電話は、気持ちの切り替えが命です。
モチベーションが低いまま電話すると、声のトーンにも表れてしまいます。
そのため、“かける前の儀式”を決めておくことが大切です。

おすすめのスイッチ習慣

  • 鏡を見て笑顔を作る(声のトーンが上がる)
  • 1本目の電話は「練習」と割り切る(完璧を求めない)
  • 成功体験メモを見る(ポジティブな脳の状態を保つ)

小さな準備が、1本目からの成功率を大きく変えます。


3. 電話本数と成果の関係を数値で把握する

営業は「感覚」でやるより、「数」で管理する方が確実に上達します。
以下のように自分の1日の行動を“数値化”すると、課題が見えてきます。

指標内容改善の方向性
コール数1日あたりの電話本数目標を毎日設定する
接続率電話がつながった割合時間帯の見直し
アポ率電話→商談につながった割合トークスクリプト改善
成約率商談→契約に至った割合提案内容・クロージング見直し

「数を意識できる営業」ほど早く結果を出す。
成果が出ないのは能力ではなく、データを取っていないからなのです。


4. “自分の声”を録音して分析する

多くの新人営業が見落とすのが、自分の話し方の癖です。
プロ営業は、自分の通話を録音し、1日1本だけでも聞き直しています。

チェックすべきポイント

  • 語尾が伸びていないか(例:「〜ですぅ」)
  • 無駄な言葉が多くないか(例:「あの」「えっと」)
  • トーンが一定か(不自然な上下がないか)
  • 相手の話を遮っていないか

自分の声を“客観的に聞く”のは恥ずかしいですが、上達の最短ルートです。
営業は、自己分析ができる人が一番強い。


5. 「断られても笑顔」で終える習慣をつくる

営業電話の最後の印象が、次のチャンスにつながります。
断られても、明るく終えたほうが「また話してもいい人」と記憶されます。

例:

「承知いたしました。また何かございましたら、いつでもご相談ください。
本日はお時間をいただき、誠にありがとうございました。」

この一言を笑顔で言える営業ほど、2回目のチャンスをつかめるのです。

まとめ 新人営業が電話で成果を出すために必要なこと

新人営業が電話営業で成果を上げるには、テクニックよりもまず「型」と「姿勢」を整えることが重要です。
電話営業はシンプルに見えて、実は「準備」「態度」「仕組み」「心構え」の4要素がすべて噛み合って初めて成果が出ます。


本記事のポイントまとめ

要素内容実践アクション
基本マナー名乗り方・敬語・言葉づかい丁寧な印象を意識し、最初の5秒で信頼を取る
台本の型初回・フォロー・クレーム対応目的別に台本を準備して練習しておく
失敗改善声・テンポ・敬語・切り際録音して自分の弱点を客観的に見る
実践テクニックトーン・ミラーリング・名前の活用会話の流れをコントロールする力を磨く
メンタル思考断られる=成長の証数値管理と前向きな思考で継続する

営業電話は、「声」ひとつで人の印象を変えられる最強の営業手段です。
最初は緊張して当たり前。しかし、マナーを理解し、台本を使い、失敗を修正し続ければ、
やがて電話が“恐怖”ではなく、“武器”に変わります。

電話は営業の基礎体力。
1本1本の電話を積み重ねることが、確実な成長へとつながります。

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