TOTO(トートー)は水まわり設備機器の大手ブランドとして知られていますが、その営業活動は非常に多様で高度です。本記事では、TOTOの営業で成果を出したい新人営業マンやこれから挑戦したい方に向けて、実践的な戦略とノウハウを余すところなく解説します。営業の基本から提案型営業、顧客心理へのアプローチ、現場対応、契約後フォローまで、一貫した流れで理解できる構成です。
本記事を読むと、TOTO製品を扱う営業現場で即使える技術とマインドが身につきます。
営業の基本を理解することがTOTO営業の第一歩
TOTO営業の出発点は、製品知識と顧客理解の両立にあります。
TOTOが扱う商品はトイレ、キッチン、浴室、洗面台など、いずれも生活に密着した耐久消費財です。そのため、「モノを売る」というよりも「暮らしの質を高める提案」をすることが求められます。
製品知識は信頼の源泉
営業担当者がTOTO製品の特徴を理解していないと、提案の説得力は一気に落ちます。例えば「ネオレスト」シリーズなら、節水性能や除菌技術「きれい除菌水」、デザイン性、施工性といった観点から説明できることが理想です。
顧客の質問に即答できるレベルの知識を備えておくことで、信頼が生まれ、交渉の主導権を握ることができます。
また、カタログ情報だけでなく、実際のショールームで製品を触りながら理解を深めることも非常に有効です。
項目 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
製品知識 | 各シリーズの特徴・価格帯・施工条件 | 即答できるレベルにする |
顧客理解 | 家族構成・ライフスタイル・住環境 | 「使う人の目線」で考える |
提案姿勢 | 単なる製品紹介ではなく課題解決提案 | 問題発見型営業を意識する |
顧客理解はリピートの鍵
TOTO営業では、BtoB(工務店・リフォーム会社など)とBtoC(一般消費者)の両方にアプローチします。どちらのケースでも共通するのは、「顧客の背景をどれだけ深く理解できるか」が成果を左右するという点です。
例えばリフォーム店を訪問する場合、単に製品を紹介するのではなく、
- 現在抱えている課題(仕入れコスト・施工時間・顧客満足度)
- エンドユーザーからの要望の傾向
などをヒアリングすることで、より精度の高い提案が可能になります。
TOTOの営業マンは、顧客の業務課題を解決するパートナーとして行動することが評価につながります。
提案型営業で差をつけるTOTO流アプローチ
営業の世界でよく言われるのが、「モノを売るな、価値を売れ」という言葉です。TOTO営業ではまさにこの発想が核になります。
顧客が求めているのは「トイレ」や「キッチン」そのものではなく、快適な生活空間の実現です。ここを理解しているかどうかで、提案の質が大きく変わります。
「課題発見」から始まる営業プロセス
提案型営業は、製品紹介ではなく「課題解決」が目的です。そのためには、まず顧客が抱える潜在的な問題を見つける必要があります。
例えば、住宅メーカーの担当者に対して次のような質問を投げかけると良いでしょう。
- 「最近、顧客からどんな水回りの相談が多いですか?」
- 「施工の際に一番困る点は何ですか?」
- 「他社製品と比較して気になる点はありますか?」
このように、質問を通して相手の課題を“引き出す力”がTOTO営業の真骨頂です。
ヒアリングによって見えてくる課題に対し、「TOTOならこう解決できます」という形で提案することで、“押し売り”ではなく“納得営業”を実現できます。
「数字」ではなく「ストーリー」で売る
多くの営業マンがやりがちな失敗が、「性能比較だけで勝負してしまうこと」です。
TOTO営業では、機能や価格ではなく、ストーリー性のある提案を重視します。
たとえば、「ネオレスト」の場合、
- 10年前と比べて水道代を年間〇%削減できる
- 清潔性を保つ仕組みで、掃除の手間を毎月〇時間短縮できる
というように、「数字」と「暮らしの変化」を組み合わせると説得力が増します。
さらに、施工店に対しては「工事の手間を減らすことで、1件あたりの収益を上げられる」という視点を提示すると、ビジネスパートナーとして信頼されやすくなります。
提案型営業の流れ(TOTO式)
ステップ | 内容 | 目的 |
---|---|---|
STEP1 | 顧客ヒアリング | 課題・要望の把握 |
STEP2 | 解決策の整理 | 製品・サービスの最適化 |
STEP3 | 価値提案 | 数字+ストーリーで伝える |
STEP4 | 成約後フォロー | 信頼関係の定着 |
TOTO営業の肝は「一度の契約で終わらせない」ことです。リフォームや新築の提案は、一度満足度が高ければ次回の指名営業に直結します。
つまり、1件1件の提案が、将来の顧客資産を積み上げる行為なのです。
現場対応力で信頼をつかむTOTO営業の真価
TOTO営業の評価を決める要素のひとつが、現場対応力です。
営業は契約を取って終わりではありません。むしろ、施工現場やアフターフォローでの対応こそが「次の受注」につながります。
特に水まわり商材は設置環境が現場ごとに異なるため、現場での柔軟な判断とコミュニケーション力が求められます。
営業が“現場に強い”ことの価値
多くの営業マンはカタログ上の知識には長けていますが、実際の設置現場で発生する課題には弱い傾向があります。
しかしTOTOの営業では、「営業なのに現場を知っている人」が圧倒的に信頼されるのです。
例えば、施工現場で職人から「このスペースに収まるかな?」と聞かれたとき、即座に「この寸法ならLシリーズが適合します」と判断できる営業は、“使える営業”として評価されます。
また、現場のトラブルに対して「技術部に確認します」だけで終わらせず、その場で仮対応案を提示できる営業は、スピード感と頼りがいの両方を示すことができます。
現場対応で求められる力 | 具体例 |
---|---|
製品・施工知識 | 寸法・設置条件・下地材の理解 |
問題解決力 | 水漏れ・スペース不足などへの即応 |
コミュニケーション力 | 職人・現場監督・施主との調整能力 |
クレーム対応は営業の「信頼貯金」
TOTO営業で避けて通れないのが、クレーム対応です。
しかし、ここを“チャンス”と捉えることができるかが、一流営業の分かれ道になります。
クレーム対応時のポイントは以下の3つです。
- 即対応:対応が遅れるほど信頼を失う
- 責任を持つ姿勢:原因が自分でなくても「一緒に解決します」と伝える
- 再発防止提案:同じミスを防ぐための改善策を提示する
TOTOでは「お客様対応こそがブランド価値を作る」という考え方が根付いています。
営業担当が誠実に動けば、“TOTOだから任せられる”という信頼が積み上がるのです。
実例:現場対応が契約継続につながったケース
ある営業担当は、現場の排水勾配の問題で工事が遅れていたとき、迅速に設計担当と連携し、代替プランを提示。結果、納期を守りつつ品質も確保しました。
その後、その施工会社からは継続的に受注が入り、年間売上が前年度比で120%増加。
このように、現場対応の一手が営業成果を左右することは珍しくありません。
契約後フォローで差がつく営業の持続力
営業の真価は、「契約を取ること」ではなく「契約を活かすこと」にあります。
特にTOTOのようにリフォーム会社やハウスメーカーなど長期的な取引先を持つ営業職では、アフターフォローが次の契約を生む最強の武器になります。
契約後フォローの基本
TOTO営業における契約後フォローは、単なる「挨拶回り」や「御礼メール」では終わりません。
フォロー=顧客の“その後の成功”を支援することが本質です。
たとえば、リフォーム業者にTOTO製品を納入した後は、
- 設置後の不具合がないか
- エンドユーザー(施主)からの満足度
- 現場スタッフが感じた施工のしやすさ
これらを丁寧にヒアリングすることで、「改善提案」や「次の案件支援」へとつなげられます。
つまり、フォローは“再提案のチャンス”なのです。
継続関係を築く3つのポイント
- 定期訪問を習慣化する
忙しい時期ほどフォローの頻度を落としがちですが、ルート営業として月1回以上の接点を意識することが重要です。
「売りたい時だけ連絡する営業」は信頼されません。“常に寄り添ってくれる存在”であることがリピートの鍵です。 - データ管理で関係を可視化する
TOTO営業の強いチームは、顧客データの管理が徹底しています。
「誰が」「いつ」「どのような提案をしたか」を記録し、次回の訪問時に活用します。
これにより、一人ひとりの顧客に合わせた提案ができるようになります。 - 感謝と成果の共有を怠らない
契約後の感謝を言葉にするだけでなく、「あの案件のおかげで好評でした」と結果を共有することで、相手も「またTOTOを使いたい」と思ってくれます。
小さな報告の積み重ねが、パートナー営業へのステップとなります。
フォローが次の成約を生む流れ
ステップ | フォロー内容 | 成果につながる理由 |
---|---|---|
納入直後 | 施工後の確認・御礼 | 初期トラブル防止・信頼獲得 |
1か月後 | 使用状況・満足度ヒアリング | 改善点の発見・次の提案準備 |
3か月後 | 成果共有・次案件提案 | 継続受注・口コミ促進 |
契約後フォローを「作業」と捉えるか、「投資」と捉えるかで、営業としての成長スピードが変わります。
TOTO営業で成果を出している人は例外なく、フォローを“未来の商談”として設計しているのです。
成果を出す営業マインドセットと日々の習慣
TOTO営業で長く成果を出し続ける人には、共通する営業マインドと日々の習慣があります。
それは一言でいえば、「行動量×改善意識×チーム連携」です。単発の成功ではなく、継続的な信頼と成果を積み上げるための姿勢を身につけることが重要です。
行動量がすべてを変える
営業の世界では、行動量は最強の武器です。
特にTOTOの営業では、メーカー営業としてリフォーム会社や工務店を日々訪問し、現場と接触することが基本になります。
優秀な営業は、単に数をこなすだけでなく、「目的を持って訪問する」点が違います。
たとえば、
- 新商品の導入提案
- 施工現場の進捗確認
- 過去のクレームフォロー
といった目的を設定して動くことで、“訪問=価値提供の機会”に変わります。
改善意識が成長を生む
営業は数字の世界ですが、TOTOのようなBtoB営業では、短期的な結果よりも改善のスピードが重視されます。
日々の活動の中で、「なぜ成約できたのか」「なぜ断られたのか」を分析し、次の行動に反映することが重要です。
改善を習慣化するための3ステップ
ステップ | 内容 | 狙い |
---|---|---|
1 | 失敗をその日のうちに振り返る | 記憶が鮮明なうちに改善点を抽出 |
2 | 同僚・上司と共有する | 客観的な視点で課題を整理 |
3 | 翌日の行動を変える | 小さな修正の積み重ねが成長を加速 |
この3ステップを毎日実行できる営業は、半年後には別人のように成果が上がると言われています。
チーム連携がブランド営業を支える
TOTO営業は、個人プレーではなくチームで成果を作る構造になっています。
営業、設計、施工サポート、ショールームアドバイザーが一体となって顧客を支えるため、情報共有のスピードと正確さが命です。
優秀な営業ほど、他部署との連携を怠りません。
例えば、ショールーム担当に「今週リフォーム店の○○様が来場予定です」と共有しておくことで、現場での説明がスムーズになり、顧客満足度が向上します。
こうした小さな連携の積み重ねが、TOTOというブランドの信頼を守っているのです。
まとめ:TOTO営業で成果を上げるための本質
TOTOの営業職は、単なる「商品販売」ではなく、生活の質を提案する仕事です。
そのために必要なのは、知識や話術よりも、顧客視点と誠実な行動力。
この記事で紹介した内容を整理すると、TOTO営業で成果を上げるための本質は次の5つに集約されます。
成果を出すポイント | 概要 | 実践アクション |
---|---|---|
製品知識の徹底 | 製品構造・特徴・導入事例を熟知 | ショールームや現場で学ぶ |
顧客理解 | 顧客の課題・背景・目的を把握 | 聞く力を鍛え、提案の精度を上げる |
提案型営業 | 「課題解決」を軸にした提案 | 数字+ストーリーで訴求する |
現場対応力 | トラブル即応と職人連携 | 現場に足を運び、信頼を積む |
アフターフォロー | 継続接点と関係維持 | 定期訪問・成果共有を徹底する |
TOTO営業は、技術職と人間力のハイブリッドとも言える職種です。
顧客に「またTOTOでお願いしたい」と言ってもらえるような営業を目指すことで、あなた自身のキャリアも確実に成長していきます。
最後に一言。
営業の力は、“売る力”ではなく“信頼を積み上げる力”です。
それができる人が、TOTO営業の世界で長く輝き続ける人なのです。